【TPC秋山響の海外競馬解析】昨年、米国中東部ケンタッキー州のキーンランド競馬場で行われたブリーダーズカップを観戦した。当時寂しさを覚えたのは、日本調教馬の参戦がGⅠ・BCフィリー&メアスプリントに出走したチェーンオブラブ(10着)しかいなかったこと。

 ヨーロッパからは多くの馬が参戦し、ターフ、マイル、フィリー&メアターフ、ジュヴェナイルターフ、ジュヴェナイルフィリーズターフ、ジュヴェナイルターフスプリントと6つのGⅠを制覇。ここに日本馬がいればと思うレースもあり、BCマイルに出走を予定していた安田記念の勝ち馬ソングラインが喉頭蓋の腫れで回避を余儀なくされたのが惜しまれた。

 今年のブリーダーズカップは米国西海岸カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場で11月3日と4日に行われる。西海岸での開催は日本からは距離的に近く(逆に言えば欧州からは遠い)、芝についても気候的に良馬場になる可能性が高いだけに、日本馬にとってはチャンスの大きい舞台。実際、日本馬がラヴズオンリーユー(BCフィリー&メアターフ)とマルシュロレーヌ(BCディスタフ)で歴史的な勝利を挙げた一昨年の開催場もカリフォルニア州のデルマー競馬場だった。

 ブリーダーズカップは毎年馬券が発売されている香港国際競走やドバイワールドカップ開催と比べて日本では注目されにくい状況にあるが、世界的な注目度や評価は極めて高い。今年こそは多くの日本馬が参戦し、世界のひのき舞台で世界にその強さを知らしめてほしいものだ。

サンタアニタパーク開催の08年BCクラシックで果敢に逃げたカジノドライヴ(右)

著者:東スポ競馬編集部