
2022年、中央2歳リーディングは最後の最後で大逆転劇が起きた。リバティアイランドでGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズを制したドゥラメンテが、2歳戦のフィナーレを飾るGⅠホープフルSでもドゥラエレーデが勝利。逃げ粘るトップナイフをハナ差かわして14番人気の伏兵が優勝を果たした。
1着賞金7000万円を加算して獲得賞金4億1146万8000円となり、一時は独走状態だったエピファネイアをわずか86万8000円だけ上回った。
勝ち星自体だとエピファネイアは35勝を挙げ、ドゥラメンテの24勝に11勝もの差をつけトップを確保したものの、重賞勝ちがゼロに終わったのが響いた。ホープフルSで1番人気で5着に敗れたミッキーカプチーノがせめて4着に入っていれば、逆転を許さずにすんだことになる。本当に惜しいところでタイトルを逃した形だ。
エピファネイアは前年の21年もホープフルS直前までは2歳リーディングのトップを走っていたものの、ホープフルSで1着キラーアビリティ、2着ジャスティンパレスとワンツーフィニッシュを決めたディープインパクトに逆転されている。現2歳(2021年産)はこれまでで最高となる血統登録数160頭を誇るだけに、今年こそはというところだろ。
一方、確固たる主役不在で混戦が予想された新種牡馬リーディングは、19勝を挙げたマインドユアビスケッツが16勝のリアルスティールを抑えてその座に就いた。中央では重賞勝ちはなかったが、デルマソトガゲの全日本2歳優駿(JpnⅠ)、マルカラピッドのエーデルワイス賞(JpnⅢ)と交流重賞で2勝を挙げた。中央のみの集計では、2位リアルスティールとの差は約1000万円だが、地方での成績を合わせると、その差は9400万円にまで広がる。初年度産駒の活躍も影響し、マインドユアビスケッツの種付け料は200万円から、今年は400万円と倍額になった。
ただ、昨年の種牡馬リーディングに輝いたドレフォンは2歳リーディングでも5位にランクインしていたが、マインドユアビスケッツはベストテン圏外の12位に終わっている。レベルとしてはもうひとつといった印象が拭えないのも事実だろう。
久しく米国からの輸入種牡馬が途絶えていた社台グループが、前年のドレフォンに続いて米国から輸入したダートの短距離馬で2年連続でタイトルを獲得した。今年の新種牡馬ではBCターフなど19年にGⅠ5勝で米年度代表馬に輝いたブリックスアンドモルタル(父ジャイアンツコーズウェイ)の産駒が登場する。米国ではダートよりも評価が下がる芝での実績馬ではあるが、当然、日本ではクラシックでの活躍が期待される。今年の新種牡馬たちの中でも特に注目が集まるのは確実だろう。
著者:東スポ競馬編集部