
日経新春杯2023
[GⅡ日経新春杯=2023年1月15日(日曜)中京競馬場、芝2200メートル]
GⅡ日経新春杯は59キロのトップハンデを背負ったヴェルトライゼンデ(牡6・池江)が、JC3着馬の貫録勝ち。初重賞を飾ったGⅢ鳴尾記念と同じ中京の舞台で2つ目のタイトルを獲得した。59キロ以上の斤量を背負っての当レースVは1999年メジロブライト(59・5キロ)以来。レアパターンで勝利した事実こそが本馬の優れた力量を示している。
好位の内で脚をため、直線は馬場の少しでもいい所へ。手綱を取ったイーガンの好騎乗もあったが、それ以上にJC3着馬の威厳を示した勝利と言っていいだろう。
「道中が理想的なポジション。抜け出すとソラを使うと聞いていたので、早めに抜け出さないように気をつけた。トップクラスの馬を依頼してくれた関係者の方々に感謝したい」というイーガンは、これがJRA重賞初勝利。直前の紅梅Sで騎乗停止処分となってしまったが、滞在期間のゴールぎりぎりで、その存在感を改めて示すことに成功した。
「前日から〝このように乗りたい〟と騎手が言っていた通りの競馬。強い内容だったね。この斤量を背負って勝ったことに価値があるよ」
池江調教師がキーポイントに挙げたのは59キロの斤量。今年から基礎重量が変更され、各馬のハンデが全体的に重くなっていたとはいえ、58キロよりも上の斤量は負担が違う…とも言われてきた。実際、59キロ以上を背負っての近年の重賞勝利はダートがほとんど。スピードと切れが必要な芝でのVは2011年GⅡ京都大賞典のローズキングダム(59キロ)以来。斤量差が大きいハンデ戦に限定すれば、06年七夕賞のメイショウカイドウ(59キロ)以来で、日経新春杯に至っては1999年のメジロブライト(59・5キロ)以来というレアケースだった。
57キロだったロバートソンキーが最終的に1番人気に支持された理由も、ヴェルトライゼンデの厳しい斤量にあったはずで、ゆえに今回の勝利は見た目以上の評価をすべき、ということになる。
「レーン騎手(過去2度の騎乗)は自分が乗って右回りの競馬に出走したことはないけど、右回りに問題がある走りはしていないと言っていた。実績のない右回りも克服してほしいね。脚元の問題がある馬なので、まずはリフレッシュさせて様子を見るけど、改めてGⅠを目指していくことになると思う」と池江調教師は頂点取りを宣言。回りが替わっても今回同様のパフォーマンスができれば、それも現実になりそうだ。
著者:東スポ競馬編集部