アメリカジョッキークラブカップ2023

[GⅡアメリカジョッキークラブカップ=2023年1月22日(日曜)中山競馬場、芝外2200メートル]

 今週の日曜メインには、1月中山の名物重賞・第64回アメリカジョッキークラブカップ(芝外2200メートル)が組まれている。別定GⅡながら昨年の72万円馬券をはじめ、過去10年で3連単10万超えが4本も出ている波乱傾向の一戦だ。当欄が高配の使者として指名するのはユーバーレーベン。一昨年のオークスVを最後に7戦連続で馬券圏外に沈んでいるが、陣営のトーンは相当に高い。

 3歳春のオークスを最後に勝利から遠ざかっているユーバーレーベン。勝利はおろか馬券圏内にすら1度も入れないまま5歳を迎えた。

 口さがない人間は「もう終わった」と言うかもしれない。が、言いたい人間には言わせておけばいい。その分オッズが上がって馬券妙味も増すからだ。それくらいこの中間は馬の雰囲気がいい。管理する手塚調教師が目を輝かせる。

「今、すごく調子がいいんだよねぇ。夏の札幌記念(11着)から休みを挟んで、昨秋は8、10着だったけど、使ってダメージが残るどころかさらに体調が上がってきた。12日の1週前追い切りも大きく先行した相手にきっちり併入(ウッド6ハロン82・9秒)。元気があっていい動きだった。去年はドバイ(シーマクラシック5着)が一番いい結果だったけど、当時と比べても今回のほうがいいデキだよ」

 とはいえ前走のジャパンCは古馬の強豪相手とはいえ10着に敗退。さすがに2桁着順は“負けすぎ”にも映るが、トレーナーは一笑に付す。

「いやいや。さすがにあれだけの強豪相手に向正面で大外からマクって動いては、最後は止まるって(苦笑い)。ただ、自分の動きたいタイミングで動けて、ラスト300メートルくらいまで先頭をうかがう脚勢だった点は評価できる。仮に同じ競馬を中山でやったなら、うまくハマるんじゃないかな。鞍上のミルコ(デムーロ)もそういう競馬は得意だし、イメージが湧くよね」

 中山で走るのは一昨年のGⅢフラワーC(3着)以来となるが、その点についても手塚師は「荒れた馬場はまったく苦にしないから、最終週の馬場は魅力。雨が降っても問題ないよ。状態の良さも含めて今回はいろいろとかみ合いそうだ」と歓迎の意向を示した。

 すべてにおいて“上げ潮”。それでいて「終わった」などと軽視されるようなら買いの一手だ。 

21年オークス以来の勝利を目指すユーバーレーベン

著者:東スポ競馬編集部