実績のガイアフォース(右)か勢いのエピファニーか

アメリカジョッキークラブカップ2023

[GⅡアメリカジョッキークラブカップ=2023年1月22日(日曜)中山競馬場、芝外2200メートル]

 15日のGⅡ日経新春杯と並んで年明けの風物詩となっている伝統の古馬中距離重賞。中心は1番人気に支持された昨秋のGⅠ菊花賞で8着に敗れたガイアフォース(牡4・杉山晴)だ。

 2走前に同舞台(中山芝外2200メートル)のGⅡセントライト記念で、後の菊花賞馬アスクビクターモア(2着)をアタマ差下しただけでなく、1秒0差の5着に完封したラーグルフは条件戦Vから年明けのGⅢ中山金杯を連勝。同世代の中でも強さは浮き彫りとなっており、新コンビを組むルメールを背に挑む明け4歳初戦のここは、古馬相手に真価が問われる重要な戦いになる。

 同じ4歳世代のエピファニー(牡・宮田)は未勝利から破竹の4連勝中。そもそも新馬戦(0秒2差2着)の勝ち馬はライラック(GⅠエリザベス女王杯2着)だっただけに、素質の高さは折り紙付き。中山はいずれも1800メートルながら2戦2勝。相手強化に初距離と課題は重なるが、目が離せない素質馬だ。

 5歳以上の古豪たちも、もちろん黙ってはいまい。昨年暮れのGⅠ有馬記念は14着だったアリストテレス(牡6・音無)は一昨年の当レース勝ち馬。以来、勝ち星から遠ざかっているが、得意舞台で目覚める可能性は十分にある。

 また、天皇賞・秋(11着)以来のノースブリッジ(牡5・奥村武)、ジャパンC(10着)から臨戦するユーバーレーベン(牝5・手塚)もGⅠ大敗後ながら地力は確か。巻き返すだけの力の持ち主に変わりはない。さらに経験豊富なベテラン騎手にも警戒が必要だろう。田中勝が騎乗するエヒト(牡6・森)、横山典とコンビを組むバビット(牡6・浜田)も一発の魅力は十分。冬の中山で寒さを吹き飛ばす熱いレースが繰り広げられるのは間違いなさそうだ。

著者:東スポ競馬編集部