
東海ステークス2023
[GⅡ東海ステークス=2023年1月22日(日曜)中京競馬場、ダート1800メートル]
前年のJRAダート王決定戦・チャンピオンズCと同じ中京ダート1800メートルが舞台。1か月半ほど後の開催でさほど間隔は空いていないものの、良馬場で1分48〜49秒台の決着がデフォルトとなりつつあるGⅠに対して、GⅡのこちらは重馬場の20年が1分50秒2。不良馬場の昨年でも1分49秒2と決して高速とは言いがたい時計に収まっている。厳寒期の入り口である12月初旬と真っただ中の1月中旬〜下旬では馬場状態がまるで別物。スピードよりもパワー寄りのトラックバイアスが働きやすい環境であることを念頭に置いておくべきだろう。
年をまたいでいわゆる〝力のいる馬場〟になっていることは、ここ2年のレースラップからも明らか。馬場が渋った21年は5ハロン通過までにハロン10〜11秒台を刻んだのは3回。一方、後半の4ハロンではすべて12秒台を刻んでいる。よりパワー優先の良馬場で行われた昨年は、2ハロン目の11秒3を最後にゴールまで12秒台が並ぶタフな流れ。4ハロン通過48秒4とやや速めの前半ラップを刻んでしまったがゆえに、ラスト4ハロンは重賞ステージとは思えぬ50秒台(50秒7)を要している。
序盤の入り方次第ではかなりの消耗戦になるケースも想定しておくべきとなれば、砂質の軽いJRAでの良績だけでは心許ないという見方が可能。そうなると、盛岡(JBCクラシック4着)→浦和(浦和記念1着)と、ここ2走は重い馬場の地方競馬場で好走を続けるクリノドラゴンに対する期待が一層高まってくる。基本的には先行有利の中京ダートに替わるとはいえ、3走前に当地のGⅢシリウスSで最速上がりタイ(37秒6)をマーク→4着ならコース相性は上々。当時(昨年10月)よりパワー優先へと変貌を遂げた今の馬場によって、直線で逃げ、先行馬の脚色が鈍るようなら…。ここまで全5勝を挙げている〝相棒〟武豊とのコンビで、身上の瞬発力を発揮できれば馬群を一気に丸のみしてしまうシーンがあっても何ら不思議はあるまい。
著者:東スポ競馬編集部