中心を担う4歳勢の中でも勢いは断然のマッドクール(左)

シルクロードステークス2023

[GⅢシルクロードステークス=2023年1月29日(日曜)中京競馬場、芝1200メートル]

 古くはフラワーパーク、トロットスター、近年でもロードカナロア、ドリームバレンチノ、ストレイトガール、ファインニードル、ダノンスマッシュ…シルクロードSの勝利を足がかりにしてGⅠウイナーに上り詰めた名スプリンターがズラリと名を連ねる。昨年は個性派のアイドル・メイケイエールが優勝。厳冬期のハンデGⅢとはいえ、目の前のGⅠ高松宮記念だけでなく、のちのスプリント戦線にまで及ぶ影響力を持っている。

 今年もこの路線で頂点を狙う快速馬が揃った。まずは昨年のGⅠスプリンターズS2着馬ウインマーベル(牡4・深山=59キロ)だ。そのスプリンターズSはスタート直後にゴチャついて位置取りがやや後方に。それでも勝ち馬とはわずかクビ差なら勝ちに等しい走りだった。1週前追いでは栗東所属の松山が美浦まで足を運んでおり、今年にかける意気込みも感じられる。

 トウシンマカオ(牡4・高柳瑞=58・5キロ)はGⅢ京阪杯で重賞初V。1200メートル戦で差す競馬にシフトしてから安定した走りを見せている。こちらも栗東に在籍する鮫島駿が美浦で1週前追いに騎乗。その動きも圧巻だった。

 4歳勢は牝馬も層が厚い。昨夏のスプリント戦線を沸かせたテイエムスパーダ(牝・五十嵐=55キロ)、ナムラクレア(牝・長谷川=56・5キロ)もスタンバイ。前者はGⅢCBC賞での日本レコードV後はなかなか結果が出ていないが、ここ2戦は発馬でスムーズさを欠いた面も。鞍上の今村聖奈ともども重賞2勝目なるか。後者はイン有利の馬場だったスプリンターズSで外を回るロスがありながら5着。スプリント戦線トップ級の素材なのは間違いないだけに、今年はタイトルが欲しいところだ。

 素材豊富な4歳世代の中でも勢いならマッドクール(牡4・池添学=56キロ)が最上位か。未勝利から一気の4連勝でオープン入り。走破時計も上々で競馬運びも安定感十分だ。初の重賞挑戦ながら一気にトップ級に躍り出る可能性も秘める逸材だ。

 迎え撃つベテラン勢は実績馬が参戦。京阪杯2着馬キルロード(セン8・田村=58キロ)、昨年の2着馬シャインガーネット(牝6・栗田=55キロ)、決め手鋭い重賞2勝馬エイティーンガール(牝7・飯田祐=56キロ)らがどこまで若手の勢いを食い止めることができるか。

著者:東スポ競馬編集部