
根岸ステークス2023
[GⅢ根岸ステークス=2023年1月29日(日曜)東京競馬場、ダート1400メートル]
重馬場で7ハロン1分21秒5と芝並みの勝ち時計が飛び出したのは2018年。今なお破られぬコースレコードは極端に脚抜きのいい馬場がもたらした例外と考えれば、ここ10年の勝ち時計は1分22〜23秒台でほぼ一定。よほどの雨にでも見舞われない限りは、時計のハードルの高さをさほど気にする必要がないレースと言っていいだろう。
ただ、アップダウンの小さい勝ち時計は序盤〜中盤のペースの影響を受けにくいレースであることの裏返しでもある。昨年のように前半3ハロン34秒台のハイラップを刻めば、逆側の後半3ハロンが36秒台後半まで急降下(34秒4→36秒9)。一方、前半が35秒台後半まで緩めば、後半3ハロンも13年(35秒7→35秒7)のようにイーブンかそれに近い数字に収まるケースがデフォルトとなっている。
勝ち時計がほぼ一定。ペースの違いは前半と後半のラップバランスで帳尻を合わせてしまうレースだけに、前半3ハロンの入り方をどう読むかによって狙うべき脚質も定まってきそうなところだが…。過去10年(13年以降)の勝ち馬は例外なく1〜3位の上がり3ハロンタイムをマーク。そうなると、本来ならば最重要ポイントとなるはずの前半3ハロンラップはほとんど意味をなさなくなってしまう。焦点は上がり3ハロンで最速争いに加われるか否か。いわゆる瞬発力にフォーカスするのが的中への最短距離ということになろう。
ギルデッドミラーはダートに転じてまだ3戦の〝新参者〟。それでもオープン→リステッド→GⅢで1、2、1着なら、その砂適性の高さを疑う余地はあるまい。とりわけ東京マイルにターゲットを絞った近2走は34秒台と芝並みの上がりを連発。現役生活の晩年で見つけたベストステージで重→良と馬場状態を問わない切れ味を見せつけたとなれば、1ハロン短縮のここでも持ち前の瞬発力を発揮して頭一つ抜け出す可能性が高い。
著者:東スポ競馬編集部