
シルクロードステークス2023
[GⅢシルクロードステークス=2023年1月29日(日曜)中京競馬場、芝1200メートル]
明石 大方の予想ではハナを切ると見られていたテイエムスパーダがまさかの道中最後方追走。ゲートが開いてすぐに想定外の事態に陥ってしまいました。
上田 昨年夏の小倉で48キロの軽ハンデとはいえ、前半3ハロン31秒8の超速ラップを刻んだほどの快速馬だからな。行き脚がつかなかった理由はよく分からないけど、普通は楽に主導権を握ると思うよな。
明石 代わりに押し出される形でハナを切ったのが1番人気に推されたマッドクール。京都から中京開催に替わった一昨年が前半3ハロン33秒7。昨年は33秒6ですから、33秒8の入りは決して悪くなかったと思いますが…。
上田 上がりも33秒台(33秒6)にまとめて走破時計は6ハロン1分07秒4だろ? 普通なら楽に勝ちパターンの計算なんだけど、いかんせんナムラクレアのはじけっぷりが半端じゃなかった。
明石 自身の前半が34秒4とやや緩めのラップでの追走とはいえ、いきなり33秒台の壁を突き破っての最速上がりマークですからね。昨年まではそう切れるタイプではなかっただけに、32秒9の計時を見た時は思わず二度見してしまいましたよ(笑い)。
上田 5Rの3歳未勝利でマイル1分34秒1が出ていたから、ここ2年(21年=1分08秒3、22年=1分08秒1)を大きく上回る1分07秒3の勝ち時計に驚きはないんだけど。それなりに速い時計の出る馬場レベルで、1分06秒台の持ち時計がある2、3着馬をねじ伏せたんだから大したもんだよ。
明石 レースの前後半3ハロンは33秒8→33秒5で前後差が0秒3。紛れが生じにくいとされるイーブンに近いMペースを56・5キロのハンデで勝ち切ったんですから本物でしょう。少なくとも、昨年よりひと回りスケールアップしているのは間違いないかなと。
上田 あとはせっかく本番と同じ舞台になったのに直結していないのがどうかだな。昨年も一昨年も高松宮記念で前走シルクロードS組の馬券絡みはなかったわけだろ?
明石 21年は15着→4着のトゥラヴェスーラ、22年は1着→5着のメイケイエールが最高着順でした。ただ、ここ2年の高松宮記念はいずれも雨の影響を受けた重馬場。良馬場の前哨戦とは全く違う状況だったことは忘れてはならないポイントかなと思います。
上田 ナムラクレアも不良馬場での勝ち鞍(21年フェニックス賞)があるとはいえ、速めの馬場レベルでこれだけ切れたんだからパンパンの良馬場のほうがいいだろう。ペースとか枠順ももちろん大事だけど、もしかしたら当日の空模様が一番重要なファクターってことになるかもな。
著者:東スポ競馬編集部