フリームファクシ(右)とオープンファイアが真っ向勝負

きさらぎ賞2023

[GⅢきさらぎ賞=2023年2月5日(日曜)中京競馬場、芝2000メートル]

 春のクラシックへ向けてのステップレース。近年は頭数が揃いにくいこの時季の3歳重賞だが、きさらぎ賞は特にその傾向が顕著だ。過去10年で2桁の出走があったのは3度のみで、しかも11頭(21、22年)が最高。大半が8〜9頭ととにかく頭数が揃わない。

 同じく比較的頭数が少ない共同通信杯からは出世馬が出ているのだから、単純に少頭数=低レベルとは言えないのだろうが…。実際に近10年でのクラシックホースは16年のサトノダイヤモンドのみと現状は厳しい。まだ戦力図が固まっていない牡馬クラシック戦線に、きさらぎ賞から久々に新星誕生なるか?

 その可能性を一番秘めているのがフリームファクシ(牡・須貝)だ。新馬戦こそ2着に敗れたが、当時の勝ち馬はホープフルS1番人気(5着)のミッキーカプチーノ、3着も京都2歳S勝ち馬グリューネグリーンと強力なメンバーだった。折り合い面に課題は残しつつもその後の2連勝は危なげない勝ちっぷりで、半姉ディアドラという血統背景に負けない素質を示している。ここで結果を出してクラシック戦線へ名乗りを上げたい。

 ディープインパクト〝最終世代〟の一頭として注目を集めるのがオープンファイア(牡・斉藤崇)。デビュー2戦のレースぶりにも幼さが多分に感じられたが、それでも上がり33秒4→33秒3と決め手は非凡。ひと息入れての成長も期待でき、牝馬のライトクオンタム(シンザン記念勝ち)とともに最後のディープ産駒が牡牝クラシックをにぎわすことができるか。

 紅一点レミージュ(松永幹)は人気で好走してきた前出2頭とは対照的に、未勝利52・1倍→エリカ賞170・6倍の人気薄で連勝してきた〝叩き上げ〟。前走も後半5ハロンでよどみないラップを刻んで押し切ったように長くいい脚を使えるのが武器だ。15年のルージュバック以来となる牝馬Vを目指す。

 前走でフリームファクシに0秒6負けのノーブルライジング(牡・宮本)。昨秋も新馬4着→未勝利1着と連戦でパフォーマンスを上げているだけに、今回も叩き2戦目でどこまで上昇できるかがカギとなろう。ダートで勝ち上がったクールミラボー(牡・寺島)、持久力が武器のロゼル(牡・大和田)は連続開催最終週の馬場を味方にパフォーマンスを上げたい。

著者:東スポ競馬編集部