
東京新聞杯2023
[GⅢ東京新聞杯=2023年2月5日(日曜)東京競馬場、芝1600メートル]
過去の勝ち馬にはリスグラシュー(18年)、インディチャンプ(19年)とのちのGⅠ馬の名も。さらに3勝クラスを勝った直後に参戦し優勝を果たしたヴァンセンヌ(15年)、カラテ(21年)、イルーシヴパンサー(22年)らはその後も高いレベルで活躍。厳冬期のGⅢとはいえ、マイル戦線の中では重要なポジションを確立しつつある。
また、前出した近2年の勝ち馬はともに安田記念へ直行。「ぶっつけ」「直行」が主流になりつつある昨今、クラシックにおけるシンザン記念や共同通信杯のように、ここをステップに直行でGⅠへ…という立ち位置になる可能性も秘める。
今年も質量ともに申し分ないメンバーが揃ったが、中でも注目はナミュール(牝4・高野)だ。牝馬3冠を皆勤した昨年は桜花賞こそ10着に敗れたが、オークス3着、秋華賞2着と連続好走。エリザベス女王杯でも大崩れせずに5着と能力の高さは示したものの、赤松賞やチューリップ賞のパフォーマンスが印象的なようにマイル戦での切れ味は強烈だ。悲願のGⅠ制覇に向けてここで弾みをつけたい。
末脚の切れならジャスティンカフェ(牡5・安田翔)も負けてはいない。昨夏のオープン入り後は重賞&GⅠで4→2→6着と勝ち切れていないものの、1、1、2位の上がりをマーク。決め手は現役屈指だ。
有力馬は五指に余る。京都金杯2、3着のエアロロノア(牡6・笹田)、同舞台のクイーンCで2冠牝馬スターズオンアースを退けたプレサージュリフト(牝4・木村)、1年2か月ぶりの長期休養明けもオープン3連勝中のプリンスリターン(牡6・加用)。また、昨年のサマーマイル王者ウインカーネリアン(牡6・鹿戸)、京成杯AH勝ち馬ファルコニア(牡6・高野)、NHKマイルC2着馬マテンロウオリオン(牡4・昆)、小柄も非凡な末脚と根性が武器のピンハイ(牝4・田中克)も前走大敗から巻き返してきても不思議ない実力馬だ。
一方で昨年のイルーシヴパンサーのように新星候補誕生の可能性を感じさせるのはインダストリア(牡4・宮田)だ。前走のカウントダウンSは3勝クラスとはいえ力が違う勝ちっぷり。今年が飛躍の年となりそうな予感が漂っており、強力メンバーが揃ったここはいい試金石となりそうだ。マークも人気も薄くなりそうな今回が狙い時としては最適かもしれない。
著者:東スポ競馬編集部