展開のカギ・デビューVの地で重賞初挑戦を狙うオープンファイア

きさらぎ賞2023

[GⅢきさらぎ賞=2023年2月5日(日曜)中京競馬場、芝2000メートル]

 デフォルトの京都9ハロンから中京10ハロンに替わって今年で3年目。前2年は21年=前後半4ハロン49秒4→47秒9のスローペースから2分01秒0(良)。22年=48秒5→48秒0のMペースから2分00秒5(稍重)と道中のラップ、全体時計ともに至って平均的な水準に収まっている。

 当然、数字的には特色のない結果に映るものの、見逃せないのが上がり3ハロン1〜3位をマークした馬の好成績だ。21年が上がりの速い順に2、3、1着、22年は1、4、2着。今年もフルゲートを大きく割り込む少頭数が確定となれば、玉砕覚悟の逃げの手でペースが乱れるケースはまず考えにくい。速くてもスロー寄りのM圏内、遅ければ前後差1秒超のスローに陥る可能性が高いだけに、前2年を踏襲した決め手重視のスタンスが吉と出る可能性は高い。

 視点をレースの後半=瞬発力に定めると、一気に最有力候補として浮上してくるのがオープンファイア。切れ味を身上とするディープインパクトのラストクロップで、中京10ハロンの新馬戦→東京9ハロンのリステッド・アイビーSで33秒台の上がりを連発(33秒4→33秒3)。2分05秒8の持ち時計をどこまで詰められるかは未知数とはいえ、今年のメンバーの中で瞬発力の部門なら1、2を争う存在と言っていい。

 少なくとも、上がり3ハロンの数字でトップ3に入ってくるのはほぼ確実。産駒の全世代クラシック制覇という偉業がかかる父(ディープインパクト)のためにも、GⅠステージへ向けて賞金加算がマストのここは負けられない一戦となる。牝馬戦線はシンザン記念制覇のライトクオンタムが主役候補に名乗りを上げたが、混戦を極める牡馬戦線で大仕事を成し遂げるのはこの馬だ。

著者:東スポ競馬編集部