
東京新聞杯2023
[GⅢ東京新聞杯=2023年2月5日(日曜)東京競馬場、芝1600メートル]
東京競馬場で行われたGⅢ東京新聞杯(5日=芝1600メートル)は、単勝4番人気のウインカーネリアン(牡6・鹿戸)が逃げ切って昨年のGⅢ関屋記念に続くタイトルを獲得した。あっさり逃亡劇を完遂させたように見えるレースだが、舞台裏では、初めて味わった〝挫折〟とそれを乗り越えた陣営の奮闘があった。
昨年のサマーマイルチャンピオンが復活した。課題のゲートを克服して好スタートを切ると、ハナを奪取。直線半ばで後続を突き放し、ゴール前では2着ナミュールの猛追をアタマ差でしのいだ。「まずはゲートを出ることが一番だと思っていました。前走のGⅠでは自分の競馬ができなかった。今日はカーネリアンの競馬をと思って、強気で乗りました」と振り返ったのはこれで全8勝をともにした最高の鞍上・三浦。
前回のマイルCS(12着)はゲートで立ち上がり、発走調教再審査に。中間はパシファイアーを着けるなど対策を講じた。つきっ切りで調教に乗ってきた三浦は「今まで力で勝ってきた馬が初めてゲートという挫折をして、厩舎の方と試行錯誤した中で向かった舞台でした。ホッとしています。この馬にはたくさんの経験をさせてもらったので、こういうふうに結果で応えられて本当にうれしいです」と笑みを浮かべた。
そんな鞍上に拍手を送ったのは鹿戸調教師。「ゲートは心配だったけど、上手に出ればいいレースができると思っていた。今日はジョッキーのおかげです」と最大限の賛辞を贈った。
次走は未定も、3月25日のドバイ国際競走、GⅡゴドルフィンマイル(メイダン競馬場、ダート1600メートル)へ登録済み。これに関しては「オーナーと相談して考えます。ただ、ダートも大丈夫だと思うので」とトレーナーだ。
海外遠征か、はたまたマイルGⅠか…。いずれにしても「この馬とGⅠをものにできるように僕自身も高めていきたい」と鞍上が言ったように、夢がいっぱいに膨らむ重賞2勝目だった。
著者:東スポ競馬編集部