エフフォーリアの半妹ペリファーニアが横山武とのコンビで参戦

チューリップ賞2023

[GⅡチューリップ賞(桜花賞トライアル)=2023年3月4日(土曜)阪神競馬場、芝外1600メートル]

 日曜中山で行われる弥生賞ディープインパクト記念が皐月賞の王道トライアルなら、土曜阪神のチューリップ賞は桜花賞のまさにそれだ。昨年の勝ち馬ナミュール(桜花賞10着)を始め、近年は本番の勝ち馬を出せていないが、同レースの上位馬はその後、着実に出世を遂げており、目の前の桜花賞はもちろん、先々まで続く牝馬戦線を占うような一戦となっている。

 実績ならば重賞2勝馬のキタウイング(小島)で断然だ。GⅢ新潟2歳Sを手土産に臨んだGⅠ阪神JFでは先行策で14着に敗れたものの、差しスタイルに戻したGⅢフェアリーSで一気の巻き返しを見せた。前走後は早めに栗東に入厩して桜花賞を見据える。十分な賞金がありながらのここ出走はあくまで〝叩き台〟かもしれないが、本番に向けて恥ずかしい競馬はできまい。

 もう一頭の重賞ウイナー・ドゥーラ(高橋康)は先の阪神JFで6着。初の中央場所、そして高速決着で出遅れながら6着なら大きく評価を落とす必要はないだろう。未勝利V時には昨年のGⅠホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデを負かしており、舞台2度目のここで力を示したいところだ。

 リステッド・紅梅Sを快勝したダルエスサラーム(高野)、コースを問わないセンスが光るアリスヴェリテ(中竹)、キタサンブラック産駒の切れ者コナコースト(清水久)、先行力が武器のモズメイメイ(音無)、エリカ賞覇者レミージュ(松永幹)と出走権を狙う伏兵陣も多彩だが、中でも注目したいのは関東馬2騎だ。

 ペリファーニア(鹿戸)は先日、電撃引退した21年の年度代表馬エフフォーリアの半妹。初戦は1コーナーで不利を受けながら快勝し、兄同様の非凡な素質を感じさせた。エフフォーリアの主戦だった横山武も秘める思いは相当だろう。一気に勢力図を塗り替え、主役の座を狙えるポテンシャルがある。

 一方のルミノメテオール(金成)は、メンバー中唯一の2戦2勝馬。前走のつわぶき賞では、前出ダルエスサラームを相手に半馬身差の完封劇を披露した。センスある立ち回り、非凡な決め手はマイル重賞でも魅力的で、無傷の3連勝で重賞奪取をもくろむ。

著者:東スポ競馬編集部