タスティエーラ(中)は中山替わりでさらなるパフォーマンスアップを期待

弥生賞ディープインパクト記念2023

[GⅡ弥生賞ディープインパクト記念=2023年3月5日(日曜)中山競馬場、芝内2000メートル]

 過去10年の勝ち馬に限ってもサトノクラウン(2015年)、マカヒキ(16年)、ダノンプレミアム(18年)、タイトルホルダー(21年)、アスクビクターモア(22年)とGⅠホースがズラリ。10ハロン2分切りがわずかに1回という平凡な時計面からは想像できないほど、次代のスターを輩出する登竜門としての機能を有している。

 今年も将来性のある若駒が顔を揃えてハイレベルなレースを繰り広げる可能性大。ただ、トリッキーな中山内回り10ハロンという性質上、よほどの超スローペースにでも陥らない限り、レースの上がり3ハロンが35秒0以上を要することは避けられない。裏を返せば、上がり33〜34秒台前半を叩き出すための爆発的な瞬発力は不要。むしろ、上がり&時計のかかる消耗戦に強い持久力タイプを優先すべきレースということになろう。

 今年のメンバーで瞬発力型の筆頭と言えるのが阪神10ハロンのデビュー戦をラスト2ハロン11秒2→11秒2の高速ラップで快勝したグランヴィノス。そのポテンシャルの高さは認めつつも、能力発揮に支障が出そうなこの条件では一枚狙いを下げるのが妥当なところか。逆に、現状で速い上がりは使えないものの、レーススタイルに注文がつかないのはタスティエーラ。GⅢ共同通信杯が2番人気→4着と期待値通りの結果を得られなかったとはいえ、レースの上がりは34秒1とかなり速め。そこで切れ負けした格好となれば、高速上がりを求められない中山へのコース替わりがプラスに働く可能性は高い。最低限のミッション=皐月賞の優先出走権確保はもちろん、それ以上を期待したくなるのも当然だろう。

著者:東スポ競馬編集部