
金鯱賞2023
[GⅡ金鯱賞=2023年3月12日(日曜)中京競馬場、芝2000メートル]
番組の選択に、陣営の自信度が透けて見えることがある。昨年3勝クラスの身でGⅢ・CBC賞に格上挑戦し、見事にレコードVを決めたテイエムスパーダ、2020年に初ダートでGⅢ根岸Sにチャレンジし、快勝したモズアスコットなど、〝根拠がある〟からこそ出走の道を選択するのだ。
何を隠そう、金鯱賞に出走するマリアエレーナ(牝5・吉田)には、今週もうひと鞍、適したレースがあった。前日の土曜(11日)に中山で行われるGⅢ中山牝馬Sがまさにそれ。牝馬同士というシチュエーションを考えればあちらのほうがくみしやすいとも思えたが…。しかし、陣営は牡馬相手の中京に矛先を向けた。この決定こそが、〝牡馬相手でも勝負になる〟という陣営のプライドを雄弁に物語っていないだろうか?
「確かに中山牝馬Sより相手は強くなりますが、左回りの2000メートルという条件はベストですから。それでこちらを選びました」
実際、左回りの芝二千では1→3→2→7→3着。高島助手が最適コースと胸を張るのも納得だ。最も下位の着順だった7着は、牡馬のトップホースを相手にした昨年の天皇賞・秋。それも道中手綱を思い切り引っ張る不利があって、天下のイクイノックスから0秒7差だった。それ以外は今回と同じ中京芝2000メートルでの好走であり、陣営が言う通りまさに今回の条件はベストだ。
3着に敗れた前走のGⅢ愛知杯は「内枠もあって馬場の悪化した場所を終始回らされましたし、トップハンデ(56・5キロ)も影響しました」(同助手)と敗因は明確。開幕週の絶好馬場なら牡馬相手でも上位だろう。
この中間も2月28日に栗東ウッド7ハロン96・7―36・9―11・3秒を強め程度でマークするなど元気いっぱい。ベスト舞台とベストコンディション…。後続を5馬身ぶっちぎった昨年のGⅢ小倉記念の再現があってもおかしくない。
著者:東スポ競馬編集部