新馬→セントポーリア賞を連勝中のベラジオオペラ

スプリングステークス2023

[GⅡスプリングステークス(皐月賞トライアル)=2023年3月19日(日曜)中山競馬場、芝内1800メートル]

 近年は昨年のイクイノックスや19年に無敗で牡馬3冠を制したコントレイルに代表される年明け初戦、あるいは一昨年エフフォーリアが選択したGⅡ共同通信杯から直行で皐月賞へ向かうケースが主流となり、同じ中山が舞台ながらこの関東圏最終トライアルの存在感は少々薄れつつある。とはいっても、過去の勝ち馬にはウインブライト(17年)やキタサンブラック(15年)、次戦で皐月賞を制したロゴタイプ(13年)、さらにさかのぼればナリタブライアン(94年)も名を刻んでおり、ここから大舞台に羽ばたいていく馬が出現する下地は大いに整っている。

 こうした時流を踏まえるならば、キャリア豊富な馬よりも勢いと未知の器にかけてみたい。ベラジオオペラ(牡・上村)は新馬(阪神)→セントポーリア賞(東京)といずれも今回と同じ芝9ハロンで連勝。稍重の初戦で33秒6、次戦でも33秒9の上がりを駆使しており、決め手がA級であることは数字が物語っている。初戦で3着に下したショウナンバシットはリステッドのすみれS2着と戦ってきた相手関係にも一目置ける存在だ。

 ホウオウビスケッツ(牡・奥村武)は新馬(中山芝8ハロン)→フリージア賞(東京芝10ハロン)と無傷で連勝中。ただ、こちらはいずれも逃げ切りでのものだけに重賞のペース&メンバーでマイペースの競馬ができるかが課題になる。同じ連勝馬では、メタルスピード(牡・斎藤誠)の勢いも無視できない。初勝利に5戦を要しながらも続く1勝クラスを一気に突破。ブリンカー装着後の近3走の充実度には目を引くものがある。

 一方で、GⅡデイリー杯2歳Sを制したオールパルフェ(牡・和田雄)はメンバー唯一の重賞勝ち馬。過去4戦は全てマイル戦で初の9ハロンは課題となるものの、GⅠ出走経験(朝日杯FS6着)を含めたキャリアがモノをいうシーンがあってもおかしくない。また、GⅠホープフルS6着でGⅢ京成杯3着馬のセブンマジシャン(牡・高野)も注目すべき一頭。1番人気を裏切った前走に物足りなさは残るが、戦ってきた相手からも台頭があっていい地力は証明済みだ。

 他にもGⅢサウジアラビアRCでドルチェモアの2着があるグラニット(牡・大和田)、芙蓉S勝ちのシーウィザード(牡・鹿戸)といった重賞好走歴のある馬や、水仙賞勝ちのハウゼ(牡・田中博)、若竹賞勝ちパクスオトマニカ(牡・久保田)ら重賞初挑戦組など、伏兵陣は多彩な様相だ。

著者:東スポ競馬編集部