
阪神大賞典2023
[GⅡ阪神大賞典=2023年3月19日(日曜)阪神競馬場、芝内3000メートル]
近年は菊花賞を回避して天皇賞・秋に向かう3歳馬も多く、天皇賞・春も含めて長距離戦の立ち位置は微妙になりつつある。距離のカテゴリーを超えた挑戦も少なくなり、メンバーも固定化しがちだ。
そんな長距離路線だけに〝リピーター〟が活躍しやすい傾向にある。GⅡステイヤーズS(2015〜17年)を3連覇したアルバート、この阪神大賞典を3連覇したゴールドシップ(13〜15年)…そして、そのゴールドシップに並ぶ同レース3連覇を狙うのが21、22年覇者ディープボンド(牡6・大久保)だ。現役屈指のステイヤーらしく、20年のGⅠ菊花賞以降は直後の中山金杯(14着)を除いて2200メートル未満の出走はゼロ。昨年の仏GⅠ凱旋門賞(18着)、GⅠ有馬記念(8着)では結果が出なかったが、このメンバーに入ればキャリアの厚みが違う。2連覇中の当レースだけでなく、続くGⅠ天皇賞・春も2年連続で2着。悲願のGⅠ制覇に向けて3連覇で弾みをつけたい。
ディープボンドの3連覇を阻止すれば勢いある4歳勢か。まずは菊花賞→有馬記念とGⅠ連続2着のボルドグフーシュ(牡4・宮本)。とりわけ福永を背に2着した昨年の有馬記念では、イクイノックスには離されたものの初の古馬一線級を相手に堂々の競馬ぶりを見せた。そのスタミナとタフな末脚は長距離戦向きで、今後のこの路線を引っ張っていく存在となりそうだ。
また、昨秋に同ローテを歩んだジャスティンパレス(牡4・杉山晴)はボルドグフーシュに1勝2敗と分が悪いが…。ここで兄弟対決となる兄アイアンバローズ(牡6・上村)は昨年の当レース2着馬。鞍上ルメールとのコンビ再結成ならば重賞2勝目を手にしてもまったく不思議ではない。
ほかでは転厩初戦を迎える昨年のGⅡアルゼンチン共和国杯勝ち馬ブレークアップ(牡5・吉岡)、末脚堅実な古豪ユーキャンスマイル(牡8・友道)だけでなく、白毛のシロニイ(牡9・池江)、今村聖奈と初コンビを組む根性娘メロディーレーン(牝7・森田)らアイドルホースがここでどんな走りを見せるかも注目だ。
著者:東スポ競馬編集部