
阪神大賞典2023
[GⅡ阪神大賞典=2023年3月19日(日曜)阪神競馬場、芝内3000メートル]
昨年の有馬記念、舞台裏で関西馬を〝悲劇〟が襲った。出走各馬がトレセンから決戦の地、中山競馬場へ出発したレース前日の24日、クリスマス寒波→降雪の影響で、名古屋付近の高速道路が通行止めとなるアクシデント。11頭のうち、ジェラルディーナ、ボッケリーニ以外の9頭は大幅に輸送に時間がかかり、中山競馬場到着が18〜19時台までズレ込んでしまった(前記2頭は昼前に到着)。
ディープボンドもその余波を受けた一頭。8着に敗れたレース後、鞍上の川田も「輸送のトラブルの影響で普段の歩きとは違っていました。返し馬やレースでもそういう走りでした」と足止めの影響について言及していた。
そもそも中山は〝方角〟も良くないのかもしれない。一昨年の有馬記念では2着に好走したが、前記・有馬記念、2番人気14着に大敗した21年の中山金杯、10着惨敗の皐月賞…。ほとんどいい結果が出ていない。
その点、阪神なら何の問題もない。これまで6走して、2→1→2→1→2→4着。2年連続で天皇賞・春2着も立派だが、当レースは近2年連覇中。ここは3連覇の記録がかかる戦いとなる。
「3連覇はもちろんしたいけど、本当に勝ちたいのは天皇賞・春。次につながるレースを期待したいね」
悲願のGⅠ制覇に向けて、こう決意を語る大久保調教師だが、その一方で阪神大賞典が叩き台なのかというと、どうやらそうではない様子。
「七、八分の仕上げではないよ。10割の状態でレースに挑んで思い切り勝ちにいく。その上で次を見据えたレースをということ」
まさに勝負に徹する鬼。鞍上が和田竜二に戻るのもデビューからのディープボンド・ファンにとってはうれしいことだろう。
「ジョッキーも手の内に入れてくれているからね。いい競馬を期待したい」
大久保龍志師と和田竜二。2人のドラゴンがGⅠを見据えつつ、全力で3連覇をつかみ取りにいく。
著者:東スポ競馬編集部