
毎日杯2023
[GⅢ毎日杯=2023年3月25日(土曜)阪神競馬場、芝外1800メートル]
2006年以前は阪神芝内回り2000メートルが基本設定。88年オグリキャップ、99年テイエムオペラオー、01年クロフネ、04年キングカメハメハと名馬を輩出してきたが、外回り1800メートル施行となった07年以降はより日本ダービーに特化した出世レースとなっている。08年ディープスカイ、13年キズナ、21年シャフリヤールが見事に3歳馬の頂点に立った。GⅠ・NHKマイルカップ、GⅡ京都新聞杯、ダービー直行とローテはそれぞれ異なるが、中2週となるGⅠ皐月賞をパスが共通点。〝東上最終便〟という異名は過去のものとなった登竜門から今年はどの馬が羽ばたくか?
キングズレイン(牡・手塚)は初戦こそ3着と取りこぼしたが、未勝利→百日草特別を連勝。暮れのGⅠホープフルSはスローの展開に泣いて3着止まりも、最速34秒3の上がりを計時し能力の一端を誇示した。年明け初戦に予定していたGⅡ弥生賞ディープインパクト記念を熱発で見送ったが、16日の1週前追い切りは美浦ウッド1ハロン11・6秒をマークし順調な回復をアピールしている。
同じ勝負服のノッキングポイント(牡・木村)は、昨年に関東圏最初の2歳新馬戦を快勝したものの、続く2戦(GⅢサウジアラビアRC4着→ジュニアC6着)が1番人気を裏切る結果に。平場の1勝クラスとハードルを下げた前走を0秒3差で快勝し、しっかりと賞金加算に成功した。これまで4戦はすべて1600メートルに出走も、父は2000メートルでもGⅠ2勝を挙げたモーリス。母のチェッキーノはGⅡフローラS1着→GⅠオークス2着ならば1800メートルは守備範囲なはずだ。
ちなみに両馬の主戦であるルメール(ドバイ遠征中)は過去8回の皐月賞がすべてノーザンファーム生産馬に騎乗したが、今年はファントムシーフ(谷川牧場)で参戦。日本ダービー7回もやはり、すべてノーザンファーム生産馬とタッグを組んでおり、今年のパートナーはどの馬になるか?の観点からも同牧場産である両馬のパフォーマンスは必見だろう。なお、今回はキングズレインは岩田康、ノッキングポイントは藤岡佑が手綱を取る。
ドットクルー(牡・笹田)は前走・アルメリア賞で2勝目をマーク。昨年の覇者ピースオブエイトは当レースを制覇しており、今年も…の期待は十分だろう。今回と同じ阪神芝外1800メートルで結果を残してきた事実は無視できない。勝利となれば現3歳は2世代目となるディーマジェスティ産駒にとってJRA重賞初制覇となる。
セレンディピティ(牡・音無)は未勝利戦が最速34秒7の上がりを駆使して0秒7差圧勝。しかし、ホープフルS8着→若駒S5着と伸びを欠いた内容から2000メートルは少し長い印象も。母ジェラシーは2000メートルのミモザ賞が2着止まりも1800メートルのスイートピーSを制してオークスの切符をゲット。息子も距離短縮で詰めの甘さを解消したいところだ。
アドマイヤイル(牡・友道)の父はサクソンウォリアー。日本産馬(父ディープインパクト、ノーザンファーム生産)として初めて競馬発祥の地・イギリスでクラシックレース(GⅠ・2000ギニー)を制した。初年度となる現3歳世代からは、すでにヴィクトリアロードが昨秋のBCジュヴェナイルターフでGⅠ制覇を達成。父の生まれ故郷でも名声を高める活躍なるかが、注目を集める。
著者:東スポ競馬編集部