
日経賞2023
[GⅡ日経賞=2023年3月25日(土曜)中山競馬場、芝内2500メートル]
今年の日経賞はドバイワールドカップデー当日と重なり、GⅠ大阪杯を翌週に控えるタイミングでの施行。近年はメンバーの質も低調傾向にあったが、GⅠ天皇賞・春(4月30日=京都芝外3200メートル)を見据えるアスクビクターモア(牡4・田村)とタイトルホルダー(牡5・栗田)の新旧菊花賞馬が初対決。いずれも先行脚質とあって、その主導権争いに最注目が集まる。
アスクビクターモアは昨年暮れのGⅠ有馬記念を自重しての明け4歳初戦。昨年のGⅠ菊花賞V以来5か月ぶりの実戦となるが、久々を割り引くのか、あるいは成長度がそれに勝るのかがポイント。対してタイトルホルダーは仏GⅠ凱旋門賞(11着)→有馬記念(9着)と大敗が続くが、昨年は日経賞Vから天皇賞・春→宝塚記念を連勝した実績は決して色あせておらず、復権があって当然の立場にいる。
一方の伏兵陣では牝馬のライラック(4・相沢)がGⅠエリザベス女王杯(2着)以来の実戦を迎える。当時の勝ち馬ジェラルディーナは続く有馬記念で3着、同着の2着だったウインマリリンは次戦のGⅠ香港ヴァーズを制しており、一昨年の当レース勝ち馬でもある。その21年2着馬はやはり牝馬のカレンブーケドールだっただけに牝馬だからといって甘くみると痛い目に遭いそうだ。
他ではGⅡ京都記念4着からの臨戦となるキングオブドラゴン(矢作)、GⅡステイヤーズS9着以来となるディアスティマ(高野)といった〝脂が乗った〟6歳牡馬に注目したいところだが、その筆頭格は昨年の天皇賞・春(4着)を含め7戦連続して重賞で掲示板を外していないヒートオンビート(友道)だろう。かみ合えば初のタイトル奪取があってもまったく不思議ではない。また、同じ芝12・5ハロンのGⅡ目黒記念勝ちのあるボッケリーニ(牡7・池江)は昨年の当レース2着馬でもあり、距離適性は高く圏内だろう。
2強で盤石のムードがほとんどだが、いずれにせよ両馬は休み明け。ひとつ歯車が狂えば波乱が巻き起こる可能性も否定できない。
著者:東スポ競馬編集部