桜花賞でも主役を務める最優秀2歳牝馬リバティアイランド

桜花賞2023

[GⅠ桜花賞=2023年4月9日(日曜)3歳、阪神競馬場・芝外1600メートル]

 18日にGⅢフラワーCが終了。各トライアルを含めた桜につながるすべての〝道〟はつながった。それぞれの前哨戦を振り返っても、2歳女王リバティアイランド(中内田)を脅かす存在は見つからない。

 前走のGⅠ阪神JFを楽勝。1頭だけ別次元と言える走りで、他馬を圧倒した。舞台は桜花賞と同じ阪神芝外1600メートル。ポテンシャルは相当であり、不安要素を探すほうが難しい。休み明けから直行の形になるが、陣営が予定していた通りのローテーションであり、気のいいタイプで間隔が空いていても問題ないタイプ。桜の女王の座に最も近い存在であり、スムーズに運べれば勝ち負けは必至だ。

 対抗するのは、無傷の2連勝でGⅢシンザン記念を制したライトクオンタム。父ディープインパクトから走りの軽さと瞬発力を確実に引き継いでいて、前走は鋭い伸びで重賞初制覇を飾っている。素質は間違いなく世代トップクラス。経験値は少ないが、伸びしろは十分の好素材だ。父の背中を知る武豊の騎乗も心強い。

 最終便のGⅢフラワーCで豪快な差し切り勝ちを披露したことで、エミュー(和田郎)が急浮上。馬群の大外から確かな伸びで突き抜けたレースぶりは高く評価できる。不良発表の芝で勝利したが、420キロに満たない小柄なタイプだけに良馬場のほうが合っていそう。初の長距離輸送をクリアできればさらなるパフォーマンスアップがあってもいい。

 GⅡフィリーズレビュー勝ちのシングザットソング(高野)は一戦ごとに競馬を覚えてきている感じ。ゲートさえ決まれば、きっちりと自分の能力を発揮できそうだ。他方、GⅡチューリップ賞Vのモズメイメイ(音無)は豊かなスピードが魅力。リズム良く運べるかがポイントになるが、すんなりと先行できるパターンならば面白い。

 GⅢクイーンCを制したハーパー(友道)は、直線でしぶとく脚を伸ばしており、展開次第で上位争いに加われるはず。昨年のGⅢアルテミスSでリバティアイランドを下しているラヴェルも忘れてはいけない一頭だ。

著者:東スポ競馬編集部