ジャスティンカフェは58キロでの出走となる

ダービー卿チャレンジトロフィー2023

[GⅢダービー卿チャレンジトロフィー=2023年4月1日(土曜)4歳上、ハンデ、中山競馬場・芝外1600メートル]

 2002年から斤量設定が別定→ハンデ戦となり現在の形が出来上がったが、それ以降の勝ち馬でハンデ最重量は57・5キロ。最も勝利が多いのは55キロ(6勝)、人気順では4番人気と7番人気が4勝ずつをマークしている。今年から負担重量が上がっているのでデータがどこまで生きるかという問題も残るが、極端な穴狙いよりも、相応な実績を持ちつつ人気の盲点となっている〝影の実力馬〟狙いが実効性の高い馬券作戦といえよう。 

 58キロのジャスティンカフェ(牡5・安田翔)はオープン入り後が4→2→6→4着と勝ち切れないが、GⅠ〜GⅢの強敵相手に出走中1〜2位の上がり3ハロンをマークしトップクラスの瞬発力を誇示している。それだけに気になる点が初参戦となる中山の適性だ。過去4勝は中京(2勝)、阪神外回り、東京と直線の長い大箱コースで挙げたもの。裏を返せば中山攻略に成功すれば、得意コースでの大レース制覇も現実的なものとなる。

 昨年のGⅠ日本ダービー17着以降は掲示板を確保できていないマテンロウオリオン(58キロ=牡4・昆)だが、GⅢ京都金杯(13着)では1番人気に支持されマイラーとしての高い資質は衆目の一致するところだ。3歳春までの芝マイル成績はGⅠ・NHKマイルカップ2着を含め〈1・3・0・0〉と申し分ない。この中山でもGⅡニュージーランドTがタイム差なしの2着。コース替わりで実力馬の完全復活もあり得そうだ。

 56キロのミスニューヨーク(牝6・杉山晴)は前走・GⅢ京都牝馬Sが9着止まりも、〈0・0・1・2〉と連対がなかった阪神が舞台だったうえに、自身2度目の1400メートル戦。牝馬限定戦の凡走でも評価を下げる必要はない。一方、中山はGⅢターコイズS連覇を含め4勝、7戦して掲示板を外したことがない〝庭〟だ。昨秋のGⅢ京成杯AHも4着ながら着差はわずかに0秒1。牡馬相手でも当地5勝目が期待できる。

 その京成杯AHの勝ち馬がトップハンデ58・5キロを背負うファルコニア(牡6・高野)。3歳時はクラシック路線を歩んだが、昨年からマイル路線に参入すると3→2→3→1着と凡走なしで初タイトルを奪取した。直近2走は結果が出ていないが前々走は強敵相手のGⅠマイルCS(13着)、前走・GⅢ東京新聞杯(9着)も休み明けで初めて58キロを背負っており仕方ない面も。叩き2走目で実績ある中山が舞台。真価を発揮する可能性は高い。

 重賞未勝利馬たちも虎視眈々。中でも面白いのは56キロで出走する明け4歳の2頭だろう。インダストリア(牡4・宮田)は2走前のカウントダウンSを含め、中山マイルで2戦2勝。前走の東京新聞杯では7着に終わっているものの、昨年のNHKマイルカップで5着があるように能力は疑いようがなく、得意舞台で逆襲があってもいい。一方、レッドモンレーヴ(牡4・蛯名正)は今回がオープン昇級初戦。未勝利勝ち直後の参戦だった昨年のGⅢ共同通信杯(6着)を除けば〈4・2・0・0〉と底を見せていない点が魅力だ。母の父ディープインパクト、祖母エアグルーヴと血統背景は文句なく連勝での初タイトル奪取が期待される。

著者:東スポ競馬編集部