
大阪杯2023
[GⅠ大阪杯=2023年4月2日(日曜)4歳上、阪神競馬場・芝内2000メートル]
毎年のように海外GⅠ(サウジ、ドバイ、香港)とのコントラストが強調されがちなGⅠ大阪杯(阪神芝内2000メートル)。今年もあるべき〝ピース〟が不足している。イクイノックス、ドウデュースという4歳馬の2枚看板、昨年の皐月賞馬ジオグリフ、快速逃げ馬パンサラッサもドバイ遠征へとかじを切った。長距離路線(GⅠ天皇賞・春)を歩むタイトルホルダー、アスクビクターモアらは前週のGⅡ日経賞に向かい不在。大きな盛り上がりを見せたドバイワールドカップデーの翌週だけになおさら物足りなさは募るが…。
このメンバーならジャックドール(牡5・藤岡)が存在感を示したいところ。GⅡ金鯱賞をレコード圧勝で挑んだ昨年の当レースは5着に敗れたが、当時は中2週のローテも響いたか。その反省を生かしてぶっつけ参戦する今年は違った結果が期待できそうだ。2度目のコンビとなる武豊がこの馬の先行力をどう生かすかも注目だ。
GⅠ牝馬2頭も警戒すべき実力馬。ジェラルディーナ(牝5・斉藤崇)はエリザベス女王杯でGⅠ初勝利、続く有馬記念でも出遅れながら3着と現役トップ級の力を誇示した。父モーリス×母ジェンティルドンナの〝13冠〟のDNAが覚醒した今ならGⅠ2勝目もあっさりと手にできそう。一方、昨年の2冠馬スターズオンアース(牝4・高柳瑞)は骨折から復帰した前走・秋華賞で3着。絶望的な位置から伸びてきた走りは非凡なポテンシャルを再証明するものだった。同じ阪神内回りでポジショニングはカギになろうが、もともとのセンスの良さを思えば大きな不安材料にはなるまい。
ヒシイグアス(牡7・堀)はGⅡ中山記念を隔年(21、23年)で制覇。特に8か月ぶりの前走を勝ち切ったのは絶対能力がないとできない芸当だろう。過去のGⅠでも5、2、4、2着と安定して走れており、叩いた上積みは相当。今回は悲願のタイトル奪取の絶好機となる。
昨年のGⅠジャパンカップで3着し、59キロを背負ったGⅡ日経新春杯を快勝したヴェルトライゼンデ(牡6・池江)も充実ムード。鞍上はドバイワールドカップを制したばかりの川田。人馬ともに勢いは十分だ。一方、ダノンザキッド(牡5・安田隆)は前走・中山記念では崩れた(11着)ものの、昨年はGⅠでの好走を再三見せており復調をアピールしていた。唯一のGⅠタイトルが芝10ハロンのホープフルS。同じ距離で2度目のGⅠ制覇を目指す。
また、GⅡアメリカJCCで重賞2勝目を手にしたノースブリッジ(牡5・奥村武)、立ち回り堅実な京都記念2着馬マテンロウレオ(牡4・昆)、中山金杯1着→中山記念2着と着実に力をつけてきたラーグルフ(牡4・宗像)らも上位進出を狙える実力馬だ。
著者:東スポ競馬編集部