今週末の7日(日曜)、日本ではGⅠ・NHKマイルCが行われるが、その日の早朝(現地時間では6日)、米国でGⅠケンタッキーダービーがスタートを切る。
現地では〝スポーツの中で最も興奮する2分間〟と呼ばれるこのレースに、昨年、参戦したのがクリストフ・ルメール騎手。騎乗したのはクラウンプライド(牡・新谷)だ。舞台となるチャーチルダウンズ競馬場で追い切りにまたがった同騎手は次のように語っている。
「米国のダートでも普通に走れていました。適性があると感じたので、好勝負ができそうです」

さすが日本が誇るトップジョッキー。このインプレッションが的を射ていたことを実戦で証明するのだが、ある意味、それがマイナス方向へも働いてしまった。
スタートが切られると、楽に先行したクラウンプライドだが、最後に失速。13着に敗れた。レース直後、ルメール騎手は「それほど速く感じず、手応えも良かったので『勝てるのでは?』と思って乗っていたけど、止まってしまいました」と語った。
しかし、改めてラップタイムを確認すると驚いた。序盤の半マイルは45秒36。明らかなハイペースだったのだ。ルメール騎手は言った。
「本当にそんなに速いとは感じませんでした。それだけ馬にスピード能力があったということでしょう」
今年は同レースにデルマソトガケ(牡・音無秀孝厩舎)とコンティノアール(牡・矢作)、2頭の日本馬が挑戦予定。前者にはルメール騎手が乗る。昨年の経験を糧に雪辱なるだろうか。大いに期待したい。(平松さとし)
著者:東スポ競馬編集部