
【血統値】ここまで4戦3勝。唯一の敗戦となったGⅠ朝日杯FSにしても、出遅れが響きながら、よく追い上げて0秒6差の7着と中身は濃いオオバンブルマイ。なかなか人気にならない馬ではあるが、武豊の継続騎乗もあり、今回は堂々の主役候補の一頭だろう。
母のピンクガーベラは11戦未勝利ながら、全姉は函館2歳S、キーンランドCと重賞2勝のブランボヌール、全弟は中京記念、京都金杯各3着に加え、21、22年と仏GⅠフォレ賞で2年連続3着となったエントシャイデン、さらに半弟には函館2歳S、葵S、函館スプリントSを制したビアンフェ(父キズナ)がいる良血馬だ。
父のディスクリートキャットはストームキャット系フォレストリー産駒の米国産馬。デビューから無傷の6連勝で米GⅠシガーマイルHを制した。3連勝目となったUAEダービーでは、後の米年度代表馬インヴァソールに6馬身の差をつけて圧勝。日本から遠征したフラムドパシオンもまったく寄せつけなかった。
その後は故障もあって勝ち星を挙げることができず、9戦6勝で引退。種牡馬としてはダートGⅠの勝ち馬のほかにも、芝9ハロンの米GⅠデルマーオークスの勝ち馬ディスクリートマークを出している。
日本での種牡馬生活のスタートが14歳とそこそこの高齢ではあったディスクリートキャットだが、輸入されたエアハリファ(GⅢ根岸S)、キズマ(昇竜S、ペルセウスSともに2着)の活躍が印象深かったのか、初年度から137頭の牝馬を集める人気となった。日本での産駒としてはオオバンブルマイが3世代目にして初の重賞勝ち馬となる。
オオバンブルマイの母ピンクガーベラはディープインパクト×サクラバクシンオー。これはイクイノックス(天皇賞・秋、有馬記念、ドバイシーマクラシック)に続き、今年の皐月賞馬ソールオリエンスを出し、種牡馬としての評価がうなぎ登りのキタサンブラック(ディープインパクトの全兄ブラックタイド×サクラバクシンオー)とよく似た配合というのも勢いを感じさせる。
著者:東スポ競馬編集部