ソダシVSスターズオンアース(右)が激突

ヴィクトリアマイル2023

[GⅠヴィクトリアマイル=2023年5月14日(日曜)4歳上牝、東京競馬場・芝1600メートル]

 2006年に創設され、上半期の牝馬の大目標として定着しているヴィクトリアマイル。昨年の当欄では「〝豪華さ〟は史上最高」と銘打ったが、今年もレース史上の〝最高値〟を更新する好メンバーかもしれない。GⅠ馬の数こそ昨年の5頭には及ばないものの、4頭のGⅠ馬を中心に層の厚さはかなりのものだ。

 そんなハイレベルメンバーにあっても注目度では白毛のアイドル・ソダシ(5・須貝)が一番だろう。ここまでの実績は説明するまでもないだろうが、昨年のディフェンディングチャンピオン。初コンビを組むレーンがどう導くのか興味深い。2013→14年ヴィルシーナ、15→16年ストレイトガールに続く史上3頭目のレース連覇なるか。ルックスだけでなくレース内容にも注目だ。

 ソダシの前に立ちはだかるライバル陣もとにかく強力。筆頭は昨年の2冠牝馬スターズオンアース(4・高柳瑞)だろう。昨秋以降は脚元の不安により休み休みのローテとなっているが、牡馬一線級を相手にした前走のGⅠ大阪杯でもハナ差2着と力を示した。久々のマイル戦への対応はカギとはいえ、そこは昨年の桜花賞馬。直線の長い東京ならその末脚がフルに生きそうだ。

 昨年に同舞台のGⅠ安田記念を制したソングライン(5・林)は得意の東京マイルで久々の勝利を狙う。連覇を目指した前走のサウジGⅢ1351ターフスプリントはまさかの10着に。メンタル面を立て直した今回は戸崎圭を新たに鞍上に迎えて巻き返したいところだ。

 秋華賞馬スタニングローズ(4・高野)は強敵揃いのGⅡ中山記念で5着。マイルの速い決着では未知数だが、持ち前の立ち回りのうまさは大きな武器となろう。また、同厩&同世代のナミュールも成長著しい。前走のGⅢ東京新聞杯(2着)でコースも経験済み。牝馬3冠で無冠に終わった昨年の無念を晴らせるか。

 ほかにもGⅢ京都牝馬S勝ちララクリスティーヌ(5・斉藤崇)、GⅡ阪神牝馬S勝ちサウンドビバーチェ(4・高柳大)ら重賞ウイナーがスタンバイ。また、短距離路線で好走してきたメイケイエール(5・武英)&ナムラクレア(4・長谷川)はそのスピードを武器にどこまで肉薄できるか。どの馬が女王の座に輝いても驚けない、ハイレベルな一戦となることだけは間違いない。

著者:東スポ競馬編集部