
ヴィクトリアマイル2023
[GⅠヴィクトリアマイル=2023年5月14日(日曜)4歳上牝、東京競馬場・芝1600メートル]
今週末の14日(日)はヴィクトリアマイルが行われる。スピードだけでなく、地力も問われる東京芝1600メートルを舞台とした牝馬限定のGⅠ。当レースを2013、14年と連覇したのがヴィルシーナだ。
同馬のオーナーは佐々木主浩氏。現役時代〝大魔神〟の愛称で活躍した元メジャーリーガーだ。オグリキャップが勝った1990年のGⅠ有馬記念に感動し、競馬にノメり込んだ同氏。オーナーになってからは先出のヴィルシーナに加え、同馬の全妹であるヴィブロス(ドバイターフ、秋華賞)、半弟のシュヴァルグラン(ジャパンカップ)で次々とGⅠを勝利した。
「ハルーワスウィートの現役時も見ていました」
佐々木氏がこう語るハルーワスウィートこそ、GⅠ馬3頭の母だ。
「ハルーワスウィートは尾がほとんどなかったのに5勝しました。競走馬は尾でバランスを取って走ると聞いたことがあったから、ないのに5勝するというのは相当能力があると思い、セリでその子供を買うことにしました」
こうして最初に目をつけた長兄のファルスターを、2008年のセレクトセール・当歳において3885万円(税込)で手に入れた。
「用意していた予算より高くなったので、まだ値が上がるようなら降りるつもりでいました」
もしそこでファルスターが別のオーナーの馬になっていたら、その後のきょうだいたちも佐々木氏の手には入っていなかったかもしれない。ほんの少しの差が大きく歴史を動かした可能性も否定できないのだ。
さて、今年のヴィクトリアマイルには昨年に続きヴィルシーナの子ディヴィーナ(5・友道)が登録している。もちろん、オーナーは大魔神。当初は除外対象だったが、滑り込みでの出走がかなった。今年こそ、母娘制覇の期待がかかる。(平松さとし)
著者:東スポ競馬編集部