
【TPC秋山響の海外競馬解析】アイルランド生まれのディープインパクト産駒オーギュストロダン(牡3=A・オブライエン厩舎)が、3日に行われたGⅠ英国ダービー(第244回=エプソム競馬場・芝12ハロン6ヤード)を制した。
R・ムーア騎手を背に中団のやや後ろからレースを進めたオーギュストロダンは、現地のトラッキングシステムによる計測で上がり4ハロン44秒14(11秒13→10秒83→10秒73→11秒45。上がり3ハロンは33秒01)という父をほうふつさせる長くいい脚を披露。ディープインパクトの最終世代が〝元祖ダービー〟を制す歴史的な快挙を成し遂げた。
オーギュストロダンは世界的な馬主・生産組織であるクールモアが、ロッキンジSを含むGⅠ3勝を挙げた母ロードデンドロンを日本に送り、ディープインパクトと交配させることで誕生した。
2歳時に英国でGⅠフューチュリティトロフィー(芝8ハロン)を制して、陣営は英3冠制覇を目標に掲げたが、今年初戦となった5月のGⅠ英2000ギニーはスタート後にごちゃついたこと、チャールズ国王の戴冠式による警備強化に伴って急きょ輸送日程の変更を余儀なくされたことなどもあって12着と凡走。3冠の夢はついえていたが、見事に巻き返した。
ディープインパクト産駒の英クラシック勝ちは2018年のGⅠ英2000ギニーを制したサクソンウォリアー、21年のGⅠ英オークスを勝ったスノーフォールに続く3頭目。
このほか、仏・愛のクラシックでもビューティーパーラーが12年のGⅠ仏1000ギニー、18年のGⅠ仏ダービーをスタディオブマン、20年のGⅠ仏オークスをファンシーブルー、21年のGⅠ愛オークスをスノーフォールが制している。
著者:東スポ競馬編集部