8月21日から25日までの5日間、新ひだか町の北海道市場において、北海道サマーセール2023が開催された。落札金額では億超えが連発するセレクトセールに遠く及ばないが、上場頭数は1000頭を超える国内最大規模の1歳市場だ。

 今年は1368頭が上場され、売却頭数は過去最高となる1068頭だった。最高価格となったのはバルスピュール2022(牡=父キタサンブラック、母の父チーフベアハート)。母バルスピュールは驀進特別など新潟芝直線1000メートで2勝(計3勝)を挙げており、サクラバクシンオー3×3の強いクロスが目を引く配合。秋元竜弥氏が5400万円(以下すべて税別)で落札した。

 2番目の高額馬はミスエンピリカル2022(牡=父シルバーステート、母の父プリサイスエンド)。いとこに21年のJpnⅡ兵庫CSを制し、JpnⅠジャパンダートダービーで5着したリプレーザがいる血統で、千歳市のザ・チャンピオンズが4200万円で落札した。

 続く3番目はショウナンアオバ2022(牡=父ダノンバラード、母の父キングカメハメハ)。こちらはGⅢアイビスSDで22、23年と2年連続3着に入ったロードベイリーフの半弟にあたる。ビッグレッドファームが3900万円で落札している。

サマーセール出身のミックファイア(上)とペリエールが3歳ダート路線をけん引中

 今年は3歳ダート路線でサマーセール出身馬が大活躍を見せた。ジャパンダートダービーで強力な中央勢を撃破し、無敗で南関東3冠を達成したミックファイア(落札価格500万円)がその筆頭格。ほかにも、8月29日に行われた王冠賞を制し、道営史上7頭目の3冠馬に輝いたベルピット(同630万円)、東海ダービーまで無敗の8連勝を達成中のセブンカラーズ(同800万円)、牝馬ながら兵庫ダービーを勝ったスマイルミーシャ(同440万円)、石川ダービーを含め12戦11勝と金沢で圧倒的な成績を残すショウガタップリ(同410万円)と8つの競馬場で開催されたダービーシリーズのうち、5レースをサマーセール出身馬が占めた。

 さらには米GⅠサンタアニタダービーでハナ差の2着となったマンダリンヒーロー(同1000万円)、羽田盃、東京ダービーとも2着のヒーローコール(同300万円)もサマーセール出身だ。その一方で、中央所属馬に目を転じてもペリエール(同1000万円)がGⅢユニコーンSを制したほか、オマツリオトコ(同1300万円)がJpnⅡ兵庫ジュニアGP、ゴライコウ(同700万円)がJpnⅢ・JBC2歳優駿を勝ち、ダート路線を盛り上げている。

 500万円で落札されたミックファイアは、すでにその30倍以上となる1億5250万円を稼ぎ出した。ほかの活躍馬に関してもお手頃な価格帯が目につき、サマーセールは掘り出し物がザックザク出てくる、まさに玄人好みのセリと言える。今年はどのようなお宝が埋まっているか、来年以降のデビューが早くも楽しみだ。

著者:東スポ競馬編集部