
紫苑ステークス2023
[GⅡ紫苑ステークス=2023年9月9日(土曜)3歳牝、中山・芝内2000メートル、秋華賞トライアル]
デビュー戦後、骨折のため休養を余儀なくされたグランベルナデットだが、復帰戦では16キロの馬体増ながら3馬身の差をつける圧巻の勝ちっぷり。クイーンCでは出遅れが響き5着まで追い上げるのが精一杯だったが、続く忘れな草賞では2番手から抜け出して快勝。2戦2勝と得意の2000メートル戦で、秋華賞への弾みをつけたいところだ。
母ラブリーベルナデットは米国産で、GⅡリヴィアS、GⅢヴァリーヴューS、同ミントジュレップHと8・5ハロンの芝の重賞を3勝した。グランベルナデットは初子となる。ハーツクライのラストクロップとなる半弟キングピンは、2021年セレクトセール(当歳)で、「ウマ娘」の藤田晋氏に2億円で落札されている。
ラブリーベルナデットの父はエーピーインディ系バーナーディニ産駒のウィルバーン。米9戦5勝でGⅡインディアナダービーが唯一の重賞勝ちとなる。一方、グランベルナデットの父は13年のダービー馬キズナ。19年の新種牡馬リーディングに輝くと、順調に勝ち星を重ね、21年、22年と2年連続してリーディングの4位となっている。16年に250万円でスタートした種付け料も、22年からは1200万円にまでアップしている。
ディープボンドがGⅠで2着が4回あるものの、GⅠ馬はアカイイト(エリザベス女王杯)、ソングライン(安田記念2回、ヴィクトリアマイル)と2頭とも牝馬。どちらかといえば、牝馬の産駒の活躍が目立つ。牡馬の大物が出ないのが悩みの種か。
この紫苑Sも21年にはファインルージュが制している。グランベルナデットも、腸炎でオークスを回避した無念をここで晴らすことができるか。
著者:東スポ競馬編集部