
セントライト記念2023
[GⅡセントライト記念=2023年9月18日(月曜)3歳、中山・芝外2200メートル、菊花賞トライアル]
今年の牡馬2冠はGⅠ皐月賞がソールオリエンス(牡・手塚)→タスティエーラで決まり、GⅠ日本ダービーではタスティエーラ→ソールオリエンスで決着。1、2着馬に関しては入れ替わっただけだった。タスティエーラが3冠目のGⅠ菊花賞(10月22日=京都芝外3000メートル)へ直行する一方で、皐月賞馬ソールオリエンスは2戦2勝の中山コースで仕切り直しとなる。
〝3度目〟の対決がいつになるかは分からないが、ソールオリエンスにとって今回はメンバー的にもぶざまな競馬はできまい。GⅢ京成杯では4角で大きく膨れたものの2馬身半差の快勝。続く皐月賞でも大外一気でタイトルをつかんだ。右回りにおけるコーナリングの不安を完全に払拭できたわけではないもの、よほど構えすぎない限り上位進出は濃厚だ。
素質という意味で侮れないのがレーベンスティール(牡・田中博)。前走のGⅢラジオNIKKEI賞では3着と脚を余した格好も、新馬戦では先のソールオリエンスとクビ差の大接戦を演じた実力馬だ。戦績から前々からの立ち回りも十分可能。モレイラへの乗り替わりが起爆剤になれば、逆転まであっても驚けない。
同じクラシック未勝利組ではキングズレイン(牡・手塚)にも注目したい。2走前のGⅢ毎日杯12着に敗れてからは大舞台への出走を自重し、自己条件からの出直しに。前走・町田特別は古馬相手に快勝し、ホープフルS3着馬の実力を改めて示した。初の2400メートルでも難なく対応できていたように、明らかに距離が伸びたほうがいいタイプ。ここで菊への切符をゲットしておきたいところだ。
ほかでは皐月賞6着→ダービー9着と2冠に皆勤したシャザーン(牡・友道)も侮れまい。当距離ではリステッド・すみれSを勝利。父ロードカナロア、母クイーンズリングともに4歳以降にGⅠ初制覇を決めているだけに伸びしろも疑いようがなく、同馬を勝手知ったる岩田望の継続騎乗も心強い。
昨年のホープフルS覇者ドゥラエレーデ(牡・池添)、逃げて3連勝中のウィズユアドリーム(牡・吉岡)、ラジオNIKKEI賞2着馬シルトホルン(牡・新開)と多彩なメンバーが揃ったが、一発の魅力を秘めるのは8か月ぶりの復帰戦を差し切ったコスモサガルマータだろう。最速上がり33秒1で後方一気を決めた2歳時の紫菊賞も強烈だったが、前走・月岡温泉特別は中団から運んで32秒7の最速上がりをマーク。結果と中身に確かな成長の跡を感じさせた。挑戦者の立場にあるには違いないが、末脚比べなら台頭しても驚けない爆発力を秘めている。
著者:東スポ競馬編集部