わずか10日間で2歳重賞4勝の大暴れ。怒涛の固め打ちを決めたのがダノンレジェンド産駒だ。
8月29日 ダヴァンティ→石川テレビ杯(金沢1400メートル)
9月3日 トゥールリー→九州ジュニアチャンピオン(佐賀1400メートル)
9月6日 アメリアハート→フローラルカップ(門別1600メートル)
9月7日 トラジロウ→イノセントカップ(門別1200メートル)
上記のほかに栄冠賞のストリーム、サッポロクラシックカップ(ともに門別1200メートル)のオスカーブレインが加わり、早くも2歳重賞は6勝となった。地方2歳リーディングにおいても、モーニンに次ぐ2位と躍進中。ドゥラメンテ、モーリスと同じく、初年度産駒は2020年のデビューであったが、4世代目での大ブレークとなった。
ダノンレジェンドは父が米2歳牡馬チャンピオンのマッチョウノ、母マイグッドネス、その父ストームキャットという血統の米国産馬。半弟には安田記念など重賞4勝のダノンキングリー(父ディープインパクト)がいる。
2歳11月の東京の新馬戦(ダート1400メートル)で7馬身差の圧勝劇を演じたが、その後はトントン拍子の出世とはいかず、オープン入りを果たしたのは4歳の秋。昇級初戦のオータムリーフSこそ5着に敗れたものの、続くGⅢカペラSでは12番人気の低評価を覆して5馬身差の逃げ切り勝ち。重賞初挑戦での偉業だった。その後はダート短距離の交流重賞に出走し続け、有終Vを決めた交流GⅠ・JBCスプリント(川崎1400メートル)を含め、12戦して8勝という優秀な成績を収めた。
引退後はイーストスタッドにて種牡馬入り。50万円という安価な種付け料もあって初年度から94頭もの牝馬を集めた。2年目以後は種付け頭数が減るパターンが多いが、その後も119→126頭と増加。4年目の20年には143頭もに種付けするなど、年々評価が高まっている。ただ、種付け料が100万円となった22年は71頭と大きく減少。今年の活躍で人気は回復しそうだ。
米年度代表馬ホーリーブルを経て、ヒムヤーにさかのぼるという希少な父系のダノンレジェンド。JBCスプリントなどダート短距離重賞8勝と似たような戦歴のサウスヴィグラスは地方の大種牡馬(15年〜21年まで7年連続リーディングサイアー)として君臨したが、18年にこの世を去っている。ダノンレジェンドがポスト・サウスヴィグラスの座に近づいていくようなら、貴重な父系がさらにつながる可能性が高くなる。

著者:東スポ競馬編集部