ハーツコンチェルト(左、緑帽)
ダービーでは頂点にあと一歩と迫ったハーツコンチェルト(左)

 ハーツコンチェルトはいまだ1勝馬で勝ちみの遅さはあるものの、GⅡ青葉賞で2着。ダービーではクビ+ハナ差の3着と実力はトップクラスだ。

 母ナスノシベリウス(父アンブライドルズソング)は豊橋特別(芝1400メートル)、脊振山特別(芝1800メートル)など3勝。繁殖成績はなかなか優秀であり、ナスノシンフォニーは葉山特別など3勝でGⅠホープフルS5着馬。ナスノフォルテは2勝、アイリッシュムーンは小金井特別など3勝。現役で活躍中のアレグロモデラートもここまで能勢特別など3勝と、ハーツコンチェルトを含めた5頭がJRAで勝ち上がっている。

 ブリックスアンドモルタル産駒の現2歳ソウルアンドジャズは、新馬戦で0秒4差の4着となり勝利は時間の問題と思われたが、2戦目は7着と一歩後退してしまった。

 祖母クレイドルソングは米国産の不出走馬。産駒には米GⅡブルックリンH2着のパーカッション、米GⅢゴーサムS、同ウィザーズSとも2着のアンクルサイがいる。

 母の父にアンブライドルズソングを持つ馬にはコントレイル(クラシック3冠、ジャパンC、ホープフルS)、ジャックドール(大阪杯)、トーホウジャッカル(菊花賞)などがいるが、ハーツクライとの組み合わせは大阪杯、ジャパンCを制し、今年の新種牡馬ながら2歳リーディングのトップを走るスワーヴリチャードと共通する。

 9月16日に行われた英クラシック3冠の最終戦・英セントレジャーでは、ハーツクライ産駒のコンティニュアスが制覇するという快挙が達成されたばかり。ハーツクライ産駒がまだ勝っていない日本版・セントレジャーの菊花賞初制覇に向けて、ハーツコンチェルトとしてはしっかり出走権を確保したいところだ。

著者:東スポ競馬編集部