
菊花賞2023
[GⅠ菊花賞=2023年10月22日(日曜)3歳、京都競馬場・芝外3000メートル]
18日にセントライト記念、24日に神戸新聞杯が終了。両トライアルレースの結果から、皐月賞馬ソールオリエンス(手塚)が菊花賞Vに最も近い存在とみる。
前走で2着に敗れたが悲観する結果ではなく、淀の長丁場に向けて見通しの明るくなる競馬はできた。道中の折り合いに不安を見せず、ゴーサインが出てから勝ち馬に次ぐ上がり34秒0の脚を駆使した事実は、3000メートル戦への大きな自信となるだろう。父キタサンブラック×母の父モティヴェイターという血統のバックボーンも、長距離戦克服を後押しする。
休み明けをひと叩きして、予定通りに本番へ。順調に事が運べば、上積みが十分に計算できるはず。まだ緩さが残る現状だけに、伸びしろも大きそうだ。長距離輸送を経て実戦に挑む過程が初めてなのがどうかも、ポテンシャルは確か。デビューから5戦オール連対の安定感も見逃せない。2度目の牡馬クラシック競走制覇を強く意識できる存在とみる。
サトノグランツ(友道)は神戸新聞杯勝ちで弾みがついた。未完成ながらも一戦ごとにパフォーマンスを上げており、速い時計の決着にも対応できるようになっている。京都競馬場では京都新聞杯勝ちの足跡。3、4コーナーの下り坂で勢いをつけられるコース形態は、現状のこの馬には合っている。最後は確実に末脚を発揮する馬。直線で馬体を併せて叩き合う競馬なら。
日本ダービー馬タスティエーラ(堀)はステップレースを走らずに大一番へ。陣営の計算通りの行動とはいえ、休養明けの〝マラソンレース〟という点に、少し引っかかる部分は残る。中間の乗り込み量と仕上がり具合は注視したいところ。能力の高さは実績が示す通り。2着の皐月賞、そして前走同様に、身上である息の長い末脚を使える立ち回りが理想になる。
ファントムシーフ(西村)はひと押しが利かない現状も、大きく崩れることはなく、相手なりに走る。変に力まないだけに、長距離の舞台はこなせそうだ。
現段階で出否は未定も、セントライト記念覇者レーベンスティール(田中博)、新潟記念勝ちノッキングポイント(木村)が出走してくるようなら当然、高い評価が必要になる。
著者:東スポ競馬編集部