ダービーグランプリを制したミックファイア(岩手県競馬組合提供)
ダービーグランプリを制したミックファイア(岩手県競馬組合提供)

ダービーグランプリ2023

 1日、盛岡競馬場で行われた3歳秋のチャンピオンシップ最終戦、ダービーグランプリ(2000メートル)は単勝1・1倍の断然人気に推されたミックファイア(牡・渡辺和)が勝利。22年ぶり史上2頭目となる〝無敗の南関東クラシック3冠馬〟が、新たな勲章を手に入れた。

 もう一頭の3冠馬で、2番人気だった道営3冠馬ベルピットは内から追いすがるも3着に敗れた。

 不良馬場の中、大外枠からハナを奪取したミックファイア。向正面では後続を引きつけ、6頭の馬群ひと固まりで運んだ。勝負どころ手前からは外から2着マンダリンヒーローがいい手応えで並びかけ、一瞬ヒヤっとさせたが、これを直線の追い比べで競り落とし、1馬身半差で無敗の7連勝を決めた。

 鞍上の御神本訓史は「ちょっと負けられない一戦だったのでホッとしました。舞台も違うんですが、不安要素が長距離の輸送と初めてのコースと左回りと沢山あったのでなんとか乗り切ってほしいなという思いでした。すごくプレッシャーがありましたが、無事に走り切ってくれたのでよかったと思います」と安堵の声を伝えた。

 マンダリンヒーローとの激闘について「向正面で早めに来たので、ちょっと早いなと思ったんですけど、4コーナーを回ってしっかり反応があれば負けないと思っていました。なんとか勝つことができましたし、ミックファイアに感謝しかありません」と振り返った鞍上。

 最後は「無事に輸送や左回りもこなしてくれたので選択肢も広がると思うんですが、まだまだ古馬の壁は厚いと思ってます。しっかり力をつけていずれはその舞台で戦えるように成長していってほしいと思います。まだまだすてきな夢を見れることを信じて、頑張っていきます」とファンにアピールした。

「全国の地方競馬のダービー馬を対戦させる」という趣旨で創設された当レースも、ダート競走体系の整備により、今年が最後。36回の歴史の締めくくりを歴史に残る3冠馬が飾った。

著者:東スポ競馬編集部