4着に敗れたスルーセブンシーズ
4着に敗れたスルーセブンシーズ(平松さとし提供)

凱旋門賞2023

[GⅠ凱旋門賞=2023年10月1日(日曜)3歳上、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル]

 現地時間1日、フランスのパリロンシャン競馬場で第102回凱旋門賞(芝2400メートル)が行われ、日本からただ1頭参戦したスルーセブンシーズ(牝5・尾関)は4着だった。

 連日好天が続き、レース当日は気温約27度。馬場状態も近年では良好な「bon souple」(日本での稍重相当)で、出走15頭のゲートが開いた。5番枠からルメール騎手を背にしたスルーセブンシーズは、スタートがいまひとつで後方からの競馬に。ほぼ位置取りは変わらないまま直線を向き、最後は馬群の中の空いたスペースを突いてジワジワと脚を伸ばしたが、4着まで追い上げたところがゴールだった。

「今年に入ってからの成長ぶりがすごかったので、好勝負できると思って期待していました。スタートで後方からになってしまい、道中も少しハミをかんでしまいました。それでも最後の直線ではよく追い上げてくれました。初めての海外遠征で頑張ってくれました」とルメールはレースを振り返りつつパートナーを評価した。

 一方、管理する尾関調教師は「人の縁、馬の縁でこういう舞台に立つことができました。輸送もうまくいき、現地ではたくさんの方のサポートもあり、いい状態で臨めました」とまずは感謝の弁を述べた。近年の遠征馬と比べて実績や注目度が劣る中での4着。「勝ちたいと思って来たので悔しさもありますが…」との言葉を聞くと軽々しく〝健闘〟という言葉は使いにくいが、それでも「一生懸命に追い上げる姿を見て、自分の馬ながらもよく頑張ってくれていると感じました。最高の結果とはならなかったけど頑張ってくれました」と師は時折涙ぐみながら愛馬の走りを称えた。

 日本競馬の悲願達成は今年もならなかったものの、世界最強イクイノックスにクビ差迫った力は存分に示した。同馬は5日にはフランスを発って帰国予定。その後のレースに関しては馬の様子を見ながら決めていくとのこと。

 優勝したのはフランスのエースインパクト(牡3)で、2013年トレヴ以来の無敗制覇を達成。2度目の凱旋門賞Vを果たしたC・デムーロは満面の笑みを見せ、馬上から飛び降りる〝デットーリジャンプ〟を披露した。以下、2着ウエストオーバー(牡4)、3着オネスト(牡4)と続き、日本産のハーツクライ産駒コンティニュアス(牡3)が5着に入った。

著者:東スポ競馬編集部