2008年のJBCスプリントを制したバンブーエール
2008年のJBCスプリントを制したバンブーエール

 全日本2歳優駿(12月13日=川崎1600メートル)への優先出走権が与えられる2歳重賞・ハイセイコー記念(ダート1600メートル)が10月31日、大井競馬場で行われた。

 レースは単勝1・9倍と圧倒的な支持を受けたダテノショウグン(牡・森下淳)が好位から抜け出して8馬身もの差をつけて圧勝。無傷の5連勝で重賞初制覇を飾った。3戦目のつばめ特別(1馬身)以外は初戦と2戦目が6馬身、4戦目は7馬身差と圧倒的なパフォーマンスを見せており、新設のダート3冠路線に向けて地元から大器が出現した。

 3日には大井と門別でJBC4競走が行われるが、ダテノショウグンの父は08年のJBCスプリント(園田1400メートル)の覇者バンブーエール。父のアフリートは、持ち込み馬のゴールデンジャックが牝馬クラシックで活躍したことにより輸入され、初年度から桜花賞馬プリモディーネを送り出している。アフリートはミスタープロスペクターのスピードを産駒に伝え、特にダートの活躍馬を多数出した。

 ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ(ともにダート2000メートル)で連続2着するなど3歳時から活躍したバンブーエールだったが、短距離路線に転戦すると成績が安定し、5歳時に本格化。北陸Sからオープン特別を3連勝すると、2008年のJBCスプリントでは、その後に重賞6連勝を飾るスマートファルコンに1馬身の差をつけて逃げ切り勝ち。重賞初制覇がGⅠ(級)となった。翌年もJpnⅢクラスターC、JpnⅡ東京盃を連勝したが、屈腱炎を発症。復帰することはできなかった。

 引退後はイーストスタッドで種牡馬入り。ビッグタイトルが一つだけでは多くの繁殖を集めるのは難しく、生産牧場であるバンブー牧場の牝馬を中心に毎年10頭前後に種付け。数少ない産駒の中から3年目の産駒であるクリノヒビキが重賞で2勝(園田オータムT、岐阜金賞)すると、スーパージンガが佐賀3冠を達成するなど重賞で6勝をマーク。21年には父バンブーエールが2着に敗れたジャパンダートダービーをキャッスルトップが制し、この年のNARグランプリ3歳最優秀牡馬に輝いた。

 産駒はその後、重賞勝ちから遠ざかっていたが、今年の6月にブレイブアモーレが佐賀ユースCで約2年ぶりの重賞勝ち。その後、佐賀3冠最終戦のロータスクラウン賞にも勝利した。一連の実績が評価され19年から種付け頭数も26→38→28と一定の支持を集めるようになった。昨年はキャリアハイとなる41頭に種付けした。

 アフリートの後継としては、同じJBCスプリントの勝ち馬スターリングローズが先に種牡馬入りしたが、18年にこの世を去っている。後継種牡馬としてはアスカクリチャンを残したものの、先行きは不安だ。米国からたびたび買い戻しのオファーがあった名種牡馬アフリートの血を、なんとかつなげてほしいものだ。

著者:東スポ競馬編集部