右上からジェラルディーナ、ブレイディヴェーグ、ハーパー、ディヴィーナ
右上からジェラルディーナ、ブレイディヴェーグ、ハーパー、ディヴィーナ

エリザベス女王杯2023

[GⅠエリザベス女王杯=2023年11月12日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝外2200メートル]

 過去10年で1番人気は1勝のみ。1、2番人気馬が馬券圏内(3着以内)に揃って入った年はなく、順当な決着は少ない。リスグラシューやラッキーライラックら名牝の名前はあれど、超一流牝馬は臆せず男馬相手のGⅠを選択する時代。今年も出ていれば圧倒的人気だったであろうリバティアイランドはジャパンCに向かった。実力拮抗した第2グループの争い…平穏決着となりにくい背景にはそんな事情もあろうか。

 今年の主役は昨年の覇者ジェラルディーナ(5・斉藤崇)。昨秋はGⅡオールカマー→エリ女を連勝し、暮れの有馬記念でも3着に食い込んだ。今年は6→6→4→6着と大負けしていない一方で勝ち切れていないが、いずれも強力牡馬が相手。名手ムーアを確保しての牝馬同士なら連覇のチャンスも十分だろう。

 昨年は2着同着だったライラック(4・相沢)も参戦。2着を分け合ったウインマリリンはその後にGⅠ香港ヴァーズを勝ち、先日のGⅠ・BCフィリー&メアターフでも4着と好走した。3歳の年明けを最後に勝ち星から遠ざかっているものの、3着に食い込んだ前走・GⅡ府中牝馬Sで復活の兆し。しぶとい末脚で昨年のリベンジを狙う。

 その府中牝馬Sを逃げ切ったのがディヴィーナ(5・友道)。母ヴィルシーナは12年の当レースでクビ差2着に惜敗しており、その無念を晴らす一戦となる。手の合うM・デムーロならば距離延長克服への期待も高まり、重賞初制覇の勢いそのままに一気の戴冠を狙う。府中牝馬S2着だったルージュエヴァイユ(黒岩)、骨折休養明けでも素質は確かなアートハウス(中内田)、GⅢ新潟記念では1番人気に支持されたサリエラ(国枝)と4歳勢も充実のラインアップを誇るだけに注意は必要とだろう。

 その一方、3歳世代の走りにも注目が集まる。この世代の中心は近年最強牝馬とも評されるリバティアイランド。リバティの後塵を拝してきた組はどのくらいの実力を秘めているのか?

 ハーパー(友道)はオークス2着、秋華賞3着とこの世代のナンバー2とも言える存在。秋華賞はブランク明け、かつ内に閉じ込められて動きにくいシーンも。どんな舞台、条件でも崩れない脚力は魅力だ。また、〝遅れてきた大物〟として不気味なのはGⅡローズS2着ブレイディヴェーグ(宮田)だ。前走で秋華賞の権利を取りながらも無理せずにここまで待機。ローズSの勝ち馬マスクトディーヴァは秋華賞で最強女王に肉薄(1馬身差2着)しており、古馬相手でもリバティアイランド、そして3歳世代の強さを証明する走りを見せてくれそうだ。

著者:後藤 俊輔