左から池上昌和調教師、その母・節子さん、田辺、父・池上昌弘元調教師
左から池上昌和調教師、その母・節子さん、田辺、父・池上昌弘元調教師

福島記念2023

[GⅢ福島記念=2023年11月12日(日曜)3歳上、福島競馬場・芝2000メートル]

 12日の福島11R・GⅢ福島記念(芝2000メートル)は、田辺騎乗で3番人気のホウオウエミーズ(牝6・池上)が中団追走から直線で力強く抜け出して初タイトル。池上調教師も重賞初制覇となった。勝ち時計は2分00秒9(良)。

 昨年はGⅠエリザベス女王杯に挑戦し、7着と奮闘したホウオウエミーズだったが、今年は同日のGⅠではなく〝実を取りに来た〟形。しっかり果実を刈り取り収穫大の一日となった。

 テーオーシリウスの逃げで前半5ハロンが59秒5と速めに流れた中、道中は中団やや後方でじっくりと待機。残り4ハロンあたりから徐々に進出し、4角で3番手まで押し上げて前を射程圏に入れると、直線は堂々と抜け出して2着ダンディズムの追撃をハナ差抑えた。

 これまでGⅢで4度の掲示板がありながらなかなか届かなかったタイトル。約4年ぶりのコンビだった田辺は「当時はまだ未完成できゃしゃな面があり結果が出なかった。レースを使いながら力をつけたと思うが、まさか重賞を勝つ馬にまで成長するとは思っていなかった」と振り返りつつ、「メンバー的に流れると思っていたし、直線が短いのも意識して乗りました。割と抜け出すのが早い形だったかもしれないが、手応えは後ろを待ちながらでもうひと脚使うことができた。物おじしない性格で、牝馬だけどチャカチャカせず精神面の成長を感じるし、力もつけていますね」と成長をたたえた。

 福島出身の鞍上にとっては2019年GⅢラジオNIKKEI賞(ブレイキングドーン)以来となる地元重賞制覇でもあった。

 池上調教師は「条件は一番合っていると思っていました。雨予報がなくなってどうかと思っていたけど、レースが進むにつれて外差しの馬場になったのも良かったですね。状態も良かったので、結果が伴って良かったです。開業からお世話になっているオーナーには競りから選ばせていただいた馬。ひ弱さやメンタル面を馬自身が良く乗り越えてくれました」とホッとした表情。

 今後については「明けて7歳になるので、来年は繁殖に上がると思うが、タイトルを取れたのでそこまでにどうするか」と話すにとどめたが、6歳秋にして競走馬としてのピークを迎えたことは間違いない。

 開業9年目。この日は父である池上昌弘元調教師も節子夫人とともに来場した。「(父のもとに所属した)助手時代からふがいなくて父を助けられず、この世界に入ることも反対されていましたが、最後は首を縦に振ってくれました。(昌弘)厩舎でも面倒をみてくれて、それがあったから今がある。両親には感謝しかありません」とトレーナーが涙ぐむシーンも。

 騎手時代にはトウショウボーイに乗り皐月賞(1976年)を制したこともある昌弘元調教師も、調教師時代にはJRA重賞制覇はならなかっただけに、親子2代での悲願達成となった。

著者:東スポ競馬編集部