蛯名正厩舎が送り出すシャンパンマーク(上)とレッドモンレーヴ
蛯名正厩舎が送り出すシャンパンマーク(上)とレッドモンレーヴ

マイルチャンピオンシップ2023

[GⅠマイルチャンピオンシップ=2023年11月19日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外1600メートル]

【トレセン発秘話】今年で開業2年目の蛯名正義調教師。ジョッキー時代から現在にいたるまで本紙で連載コラムを持ち続けているほか、コラボイベントやグッズ製作など、我が社とは非常に縁の深いトレーナーだ。

 ジョッキー時代の実績は言わずもがな。数々の名馬を駆りビッグレースを制してきた。一方で調教師として成功できるかは未知数でもあった。実際、過去には何人ものレジェンドジョッキーが厩舎を構えてきたが、現役時代ほどの成績を残せなかったケースも少なくなかったからだ。

 が、しかし。ここまでの蛯名正厩舎の成績を振り返ると、そんな心配は全くの杞憂だったと言えそうだ。開業年の11勝から、今年はすでに17勝と大きく数字を伸ばし、5月にはレッドモンレーヴでGⅡ京王杯SCをV。早くも重賞初制覇を達成した。まさしく順風な船出と言っていいだろう。

 そして、今週は2023年の蛯名正厩舎にとって“ハイライト”となりそうな予感がする。土曜(18日)東京のGⅡ東京スポーツ杯2歳にシャンパンマーク、日曜(19日)京都のマイルCSにレッドモンレーヴと、ともに人気の一角を占めそうな有力馬を送り出すからだ。

 まずは何といっても東スポ杯。蛯名師と東スポの縁については冒頭に記した通りだが、この東スポ杯とも縁が深く、ジョッキー時代にはジョウテンブレーヴ、スムースバリトン、ナカヤマフェスタ、イスラボニータで計4勝も挙げている。そんなレースに、開業2年目にして管理馬を送り出すのだから…やはり相当に縁がある。

 初戦は上がり3ハロン33秒1という出色の決め手を発揮しての差し切り勝ちで、蛯名師が「期待通りの勝ちっぷり」と目を細めれば、番頭格の津曲助手は「動きが良くなって、デビュー前以上の気配」とさらなる上積みをアピールしている。

 ちなみに前出の“33秒1”は東京芝2000メートルの新馬戦における歴代最速タイの数字。今年のNHKマイルCを制した半兄シャンパンカラーに続く“大仕事”に期待がかかる。

 マイルCSのレッドモンレーヴもチャンスは大。休み明けの前走GⅡ富士Sは「気難しい面があるので、そこを考慮しつつ、うまく気持ちを乗せながら」(蛯名師)の調整。それでいて実戦ではメンバー最重量の58キロを背負って2着。改めて性能の高さをアピールした。

「実戦を一度使って体に張りが出てきたし、心肺機能も良くなった。型通りに良化しています」

 春の安田記念では6着に敗れたが、当時の上位5頭のうち3頭が出ていない組み合わせ。初の京都コースが吉と出るようならば…逆転があっても不思議はない。

著者:藤井 真俊