[GⅠ日本ダービー=2022年5月29日(日曜)3歳、東京競馬場・芝2400メートル]

 過去10年で2分24秒台の壁を突破したのは12年ディープブリランテ(2分23秒8)、15年ドゥラメンテ(2分23秒2)、18年ワグネリアン(2分23秒6)、19年ロジャーバローズ(2分22秒6)、21年シャフリヤール(2分22秒5)の5頭。かつてキングカメハメハ(04年=2分23秒3)、ディープインパクト(05年=2分23秒3)の両歴史的名馬しか足を踏み入れることを許されなかった領域は、もはやデフォルトと化しているのがまごうことなき現実だ。同じ東京12ハロンを舞台とする先週のオークスは2分23秒9での決着。それよりも一段上の時計を求められると考えれば、今年もその領域=2分22〜23秒台前半の超高速決着をイメージしておくべきだろう。

 ラップの針がどちらに振れるかはふたを開けてみないと分からないが、前半5ハロンあるいは後半5ハロンのどちらかが57〜58秒台前半のスピードバトルに突入するのは不可避な情勢。前半5ハロンでハイラップを刻むようならキングカメハメハのようなナタの切れ味、逆に後半5ハロンのハイラップならディープインパクトのようなカミソリの切れ味が求められる。

〝二正面作戦〟を敢行

 ただ、ラップバランスを含めた展開面はゲートオープンまで誰も知る由もないブラックボックスの中。となれば、どちらに転んでも対応できる〝二正面作戦〟を取るのがベターか。

 前半がハイラップ=上がりを要する消耗戦に強いのは1枠1番アスクワイルドモア。当時の日本レコードで駆け抜けたGⅡ京都新聞杯が前半5ハロン58秒2→自身上がり35秒2。すでにこれ以上ない予行演習をこなしていると言えるだろう。

前傾ラップならアスクワイルドモアの出番

 一方、後半がハイラップ=瞬発力勝負に強いのは大外8枠18番のイクイノックス。前後半4ハロン48秒6→45秒9のスローペースに陥ったGⅡ東スポ杯2歳Sで32秒台の上がりをマーク。あの切れ味を再現できれば、直線独走のシーンまであってもいい。

 くしくも、最内と大外に分かれた両者。ペースを読み切るのは容易ではないが、それぞれの流れにマッチする馬を明確にジャッジしておくことが的中への近道となるに違いない。

著者:東スポ競馬編集部