[GⅠ日本ダービー=2022年5月29日(日曜)3歳、東京競馬場・芝2400メートル]

 デビューから無傷の3連勝でいざ〝競馬の祭典〟へ。いまだ負けなしのキャリアと大物感あふれる走りを引っ提げて日本ダービーへ参戦するのがピースオブエイト(牡・奥村豊)だ。昨年は同じGⅢ毎日杯Vからの直行を選択したシャフリヤールが世代の頂点の座を射止めているだけに、いやが応でも期待は膨らんでいくのだが…。冷静にその蹄跡を振り返ると、現時点では黄色信号が灯っていると言わざるを得ない。

 毎日杯が阪神芝外回り9ハロンで定着した07年以降、1分47秒を切る好タイムでレースを制したのは08年ディープスカイ=1分46秒0、13年キズナ=1分46秒2、14年マイネルフロスト=1分46秒7、17年アルアイン=1分46秒5、18年ブラストワンピース=1分46秒5、21年シャフリヤール=1分43秒9の6頭。すでにお気づきの方もいるだろうが、マイネルフロストを除く5頭が後にGⅠホースへと昇華している。唯一の例外であるマイネルフロストも同年の日本ダービーでは0秒3差の3着に健闘。これなら1分47秒を切るか切らないかが、超一流か否かを分けるボーダーラインと言っても決して過言ではないだろう。

昨年の毎日杯覇者シャフリヤール(左)は日本ダービーを連勝した

 今年のVタイムは1分47秒5。速い時計の出にくい稍重馬場という斟酌すべき事情があるとはいえ、ボーダーである1分47秒台の壁を突破できなかったという事実は重くのしかかる。ただ、ピースオブエイトの場合は同じ阪神9ハロンの2走前(アルメリア賞)ですでに1分46秒3をマーク。となれば、毎日杯は馬場状態に左右されただけ、という見方も十分に可能だが…。どちらにせよ、こうしたジンクスはいずれ破られるもの。1勝クラスでの記録とはいえ、今年のメンバーでは唯一の無敗馬。過去のGⅠホースに引けを取らない走破時計を叩き出しているピースオブエイトこそがその役割を担うのかもしれない。

著者:東スポ競馬編集部