昨年のジャパンCを制したヴェラアズール(赤帽=平松さとし提供)
昨年のジャパンCを制したヴェラアズール(赤帽=平松さとし提供)

ジャパンカップ2023

[GⅠジャパンカップ=2023年11月26日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2400メートル]

 今週末、東京競馬場でGⅠジャパンCが行われる。昨年、このレースを優勝したのがヴェラアズール(牡6)。管理するのは栗東・渡辺薫彦調教師だ。

 1994年に騎手としてデビュー。5年後の99年には、ナリタトップロードとのタッグで牡馬3冠に挑戦。皐月賞3着、日本ダービー2着と惜敗したが、最後の1冠・菊花賞を見事に勝利。自身初となるGⅠ制覇を成し遂げた。

 その後、騎手を引退し、調教師となった彼が厩舎を開業したのは2016年。そして、調教師として初のGⅠ勝利が冒頭で記したヴェラアズールのジャパンCだった。

 さて、そんな渡辺師が、この世界に入ったきっかけは実のお父様が厩務員だったため。「父のおかげで今があります」と、常々語っていた。

 しかし、昨年のジャパンCを優勝した際、父から祝福の連絡は入らなかったそうだ。師は言う。

「その日は私の娘のバレエの発表会で、父にはそれに付き添いで行ってもらっていました」

 だからレースを見られなくても仕方ないと思っていた。ところが、後にある事実を耳にする。

「その発表会には妻も行っていたのですが、彼女が言うには、父はジャパンCの時間だけ、発表会を抜け出して、車の中でテレビ観戦をしていたそうです」

 戻って来た時は満面の笑みだったという。

 さて、ヴェラアズールは今年のジャパンCに連覇を狙って出走する。イクイノックスやリバティアイランドなど、相手は楽ではないが、ディフェンディングチャンピオンとしての意地を見せてくれるか注目したい。そして、その場面を渡辺師のお父様は果たしてどこで観戦するのだろう。そちらも気になるところだ。(平松さとし)

著者:東スポ競馬編集部