昨年の根岸Sはレモンポップが重賞初制覇を決めた(平松さとし氏提供)
昨年の根岸Sはレモンポップが重賞初制覇を決めた(平松さとし氏提供)

根岸ステークス2024

[GⅢ根岸ステークス=2024年1月28日(日曜)東京競馬場、ダート1400メートル]

 今週末から関東圏の舞台は東京競馬場。日曜にはGⅢ根岸Sが行われる。

 昨年このレースを制したのはレモンポップ。美浦・田中博康調教師の管理馬で、馬にとっても調教師にとってもこれが初の重賞制覇となった。

 レモンポップは続くGⅠフェブラリーSも優勝。さらに続くGⅠドバイゴールデンシャヒーンこそ海外遠征の厚い壁に阻まれ10着と大敗したが、帰国後はJpnⅠマイルチャンピオンシップ南部杯を大差勝ちするとGⅠチャンピオンズCも制覇。ご存じのように2023年度のJRA賞最優秀ダートホースに選定される活躍を見せた。

 一見、順風満帆に見える同馬だが、最大のピンチはデビュー直後にあった。20年の秋に新馬、カトレアSとデビューから連勝を飾った。しかし、その後、歩様が乱れたのだ。当時、田中博康調教師は首をひねりつつ、次のように語っていた。

「繋靭帯炎のような症状だったのですが、MRIを撮ったところ、はっきりとした原因が判明しませんでした」

 そこで将来性を見込み、無理はさせなかった。次走に予定していたヒヤシンスSは諦めて、北海道の牧場へ放牧。半端な状態で戻すことはせず、脚元がしっかりするまで待ったのだ。

「結局、1年以上休ませることになってしまいました」

 当時はやきもきした口調でそう言ったものだが、この時、我慢したおかげで後の大活躍があったのは疑いようがない。今年はサウジアラビアへ遠征しGⅠサウジカップに挑戦させるという。日本のダート王として、海外での雪辱を期待したい。

 さて、今年の根岸Sは後につながるどんなドラマが待っているだろう。勢い十分の4歳勢と経験豊富な古豪の対決から目が離せない。(平松さとし)

著者:東スポ競馬編集部