母モズスーパーフレア(下)との産駒が父グランプリボスの救世主となるか?
母モズスーパーフレア(下)との産駒が父グランプリボスの救世主となるか?

 NAR(地方競馬全国協会)は「NARグランプリ2023」の表彰馬を発表し、年度代表馬にはJpnⅠ・JBCスプリント、JpnⅡさきたま杯を制した兵庫のイグナイター(牡6・新子雅)が2年連続で選ばれた。イグナイターは2月18日に東京競馬場で行われるGⅠフェブラリーS(ダート1600メートル)に参戦することが表明されている。1999年に岩手のメイセイオペラが地方所属馬として初の中央GⅠ達成という偉業を達成したレースで、地方の雄がどのような競馬を見せてくれるか楽しみだ。

 どの部門もおおむねすんなり決まったと思われるが、激戦となったのが2歳最優秀牝馬だ。10番人気でJpnⅢエーデルワイス賞を勝った8戦2勝のモズミギカタアガリ(米川昇=北海道、※現在は登録抹消されている)と、暮れの東京2歳優駿牝馬(大井)で同馬らを破った5戦4勝のローリエフレイバー(月岡健=大井)との争いとなったが、中央勢を撃破してダートグレード競走を制したモズミギカタアガリに軍配が上がった。

 モズミギカタアガリは父グランプリボス、母モズソフィ、母の父マンハッタンカフェという血統。4代母は1981年の桜花賞馬ブロケード。祖母ベルファヴォーレの産駒には06年のGⅢアイビスSDで後続に3馬身差をつけて逃げ切ったサチノスイーティーがいるというスピード自慢の牝系でもある。また、父のグランプリボスにとっては、21年にモズナガレボシがGⅢ小倉記念を勝って以来のグレードレース勝利となった。

 グランプリボスは10年のGⅠ朝日杯FS、GⅡ京王杯2歳Sを制し、最優秀2歳牡馬に輝くと、11年にはGⅠ・NHKマイルC、12年がGⅡスワンS、13年はGⅡマイラーズCを制覇した。テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオーの後継種牡馬として期待は大きく、初年度には123頭もの牝馬を集めたが、初年度産駒は初勝利を挙げるまで94連敗を喫してしまった。快速サクラバクシンオーの産駒ながら1200メートル戦での勝ち星がないという異色の経歴だったグランプリボスからは、期待されたスピード、仕上がりの早さが産駒にはまったく伝わらず、種牡馬としての人気は低下する一方となっている。

 21年産のモズミギカタアガリの同期はたった9頭しかいないが、中央では昨年の12月に2歳新馬(ダート1400メートル)でモズパシュート(牡3・田中克)がデビュー勝ちを飾った。グランプリボス産駒の新馬Vは19年12月のミズリーナ以来、実に4年ぶりのことだった。

 21、22年の種付け頭数は3頭(産駒はともに1頭)となり、昨年は種付けを行っていないようだ。23年にただ1頭生まれた産駒(牡)の母はモズスーパーフレア。GⅠ6勝を挙げたディープインパクト産駒の女傑グランアレグリアを破り、20年の高松宮記念でGⅠ制覇を飾ったスペイツタウンの良血馬である。母の類いまれなスピードを継承し、数少ないグランプリボス産駒から何とか起死回生の一発を期待したいところだ。

著者:東スポ競馬編集部