JRA重賞2勝目のキング
JRA重賞2勝目のキング

東京新聞杯2024

[GⅢ東京新聞杯=2024年2月4日(日曜)東京競馬場、芝1600メートル]

 4日、東京競馬場で行われた第74回GⅢ東京新聞杯(4歳上、芝1600メートル)は、女性騎手・キングに導かれて7歳馬サクラトゥジュール(牡・堀)が重賞初V。2週前のGⅡAJCCに続くJRA重賞2勝目を手中にした鞍上の手腕が冴え渡る一戦となった。果たして馬の力量を最大限に引き出したその技術の根底にあるものは?

 同じく短期免許で来日中のピーヒュレクが京都でGⅢきさらぎ賞(ビザンチンドリーム)を制した数分後、東京でも女性騎手のレイチェル・キングがまざまざと存在感を見せつけた。

 サクラトゥジュールと初コンビを組んだ前走の中山金杯は1角までに折り合いを欠いてしまい、勝負どころは馬群の大外を回って追い上げる形で9着敗退。2度目の騎乗となったこの日は最内1番枠から中団の内ラチ沿いで折り合いをつけ、ラストは馬群を縫うようにして勝利をもぎとった。

「今日はペースがとても良かったし、何より前走に比べて馬がリラックスしていて折り合いがつき、最後にいい脚を引き出すことができた。強い勝ち方だった」。殊勲のキングはハイペースと折り合いを勝因に挙げたが、オープン入り後は重賞で⑭⑥⑫着と〝壁〟を感じさせていた7歳馬を、2度目の騎乗で勝利に導いた手腕は大いに評価されるべきだろう。

「折り合いとリズム重視で、と堀調教師とも話していました。枠も枠でしたし、(前に)行く組の後ろでリズムよく運ぶ戦略。昔、レーンが乗った時(3走前のメイS1着)のように行きたがっても、たまった分だけ脚を使えるようにとイメージ通りの競馬ができた」と続けたキング。同じオーストラリアのレーンが乗ったメイSも道中は頭を挙げるシーンがありながらも直線はたまった分の脚を使って逃げ込みをはかったマテンロウスカイをゴール前でとらえた。今回も同じように逃げたウインカーネリアンをとらえ、レーンの騎乗ぶりを見事に再現できたのも卓越した手腕と経験ゆえのものだ。

 一般的に豪のジョッキーはレーンをはじめ、欧州勢の〝当たりの柔らかさ〟に比べて、馬をがっちり抑え込むのが特徴であり武器だと言われる。すでに女性ジョッキーの枠を超えつつあるキングは「毎晩日本食を楽しんでいて、チェーン店よりも下町の小さい店が好み」とすっかり日本に溶け込んでいる様子。免許期間は残り4週。まだまだ〝おかわり〟がありそうな予感だ。

著者:立川 敬太