榊原哲夫厩務員とウィルソンテソーロがビッグタイトル奪取へ
榊原哲夫厩務員とウィルソンテソーロがビッグタイトル奪取へ

 榊原哲夫厩務員(美浦・小手川準厩舎)は珍しいキャリアを持つホースマンだ。

 1959年3月生まれだからあと1か月ほどで65歳になる。神奈川県横浜市で生まれ、中学を卒業後、日本中央競馬会で騎手を目指した。当時はまだ競馬学校がない時代。馬事公苑での騎手課程を経てデビューを目指したが、なかなか試験に受からなかった。

「結局、体重が増えたこともあり、騎手は諦めて調教助手になりました」

 しかし、82年には退職。シンボリで知られる和田共弘氏(故人)に請われ、シンボリ牧場で働いた。

「当時は3冠を目指すシンボリルドルフがいました。和田オーナーが『3冠を取るために必要な人材を呼んだ』と報道陣に言ったので、プレッシャーでしたが、何とか本当に3冠を取れたのでうれしかったです」

 その後、翌年のダービー馬シリウスシンボリが欧州遠征した際には、一緒に飛行機に乗って現地で調教をつけた。

 帰国後に転職。いくつかの育成牧場で働いた後、99年には自らが場長となるサカキバラスティーブルを開業。2019年のJ・GⅠ中山大障害を制したシングンマイケルらを育てたが、22年には閉鎖。同年5月からは美浦トレセンで補充員として復帰し、厩務員を務めると、小手川厩舎で昨春から担当したのがウィルソンテソーロだった。

「操縦性が高くて、大物感がある」という第一印象を受けたこの馬は、榊原が担当になるなり、かきつばた記念→マーキュリーC→白山大賞典とJpnⅢを3連勝。その後、チャンピオンズC、東京大賞典の両GⅠでいずれも2着と好走を果たした。大ベテラン厩務員にいざなわれ、今週末にはGⅠフェブラリーS(18日=東京ダート1600メートル)へ挑む。ビッグタイトル奪取なるか、注目しよう。(平松さとし)

著者:東スポ競馬編集部