1976年の日本短波賞を制したマルゼンスキー
1976年の日本短波賞を制したマルゼンスキー

 2日に名古屋競馬で行われた1R・3歳8組(920メートル)は、6番人気のマルゼンスキーツー(牡・塚田隆)が低評価を覆して差し切り勝ち。名古屋転厩2戦目、通算7戦目でうれしい初勝利を飾った。

 同馬は名前通りにマルゼンスキーの直系クラグオーの産駒。曽祖母サファイアブルーがマルゼンスキーの娘なので、マルゼンスキー4×4のクロスを持つ。マルゼンスキーツーは13日の名古屋2R・3歳4組(1500メートル)で9着に敗れ、連勝はならなかったが、先の勝利により、デビューした父クラグオーの産駒は、6頭すべてが勝ち上がったことになる。

 クラグオーはマルゼンスキー→スズカコバン→クラキングオーに続く内国産の4代目となる種牡馬。父クラキングオー、母クラシャトルはともに北海優駿(ダービー)馬で、全姉クラキンコは史上初めて牝馬として道営3冠を達成した。クラグオー自身も2600メートルのステイヤーズC(門別)を制している。

 クラグオーの祖母クラネバダンサーは地方で12勝を挙げ、1983年の北斗盃と北海優駿で3着に入るなど重賞戦線で活躍した。産駒にはほかにも北海道3歳優駿2着のクラマンダラ、金杯3着のクラマサシャトル、北斗盃2着、北海優駿3着のクラオーなどがいる。最後の産駒となるクラベストダンサーは、なんと18歳まで現役を続けた。

 オーナーブリーダーである倉見牧場の結晶ともいえるクラグオーは、近親馬が多い倉見牧場の繁殖牝馬には種付けできないために、けい養先は日高町のT・H・Tステーブルとなった。出走した6頭すべてが、同ステーブルの代表を務める門別敏朗氏の生産馬となっている。毎年産駒がほぼ、1頭、多くても2頭という中で6頭で21勝、その中にはクレモナの重賞勝ち(園田・のじぎく賞)も含まれているのだから、優秀な種牡馬成績といえるだろう。

 昨年にはついに倉見牧場でクラグオーの産駒が誕生した。母に門別のエトワール賞を制し、大井の東京2歳優駿牝馬で2着したクラフィンライデンを持つ牡馬だ。マルゼンスキーツーと同じくマルゼンスキー4×4のクロスに加え、〝流星の貴公子〟と呼ばれたテンポイントの甥にもあたり、1990年代に2度地方競馬のリーディディングサイアーに輝いたワカオライデンの3×2という強烈なクロスを持っている。とても2023年生まれとは思えないような血統だ。

 現在のところクラグオー産駒の牡馬は前述のマルゼンスキーツーとこの1歳馬の2頭だけしかいない。わずか3頭の産駒から2頭の重賞勝ち馬を出したクラキングオーの血を受け継いだクラグオーなら、貴重なマルゼンスキーの系統を伸ばしてくれるのではないかと期待せずにはいられない。

著者:東スポ競馬編集部