〝主役候補〟に浮上したシックスペンス
〝主役候補〟に浮上したシックスペンス

スプリングステークス2024

[GⅡスプリングステークス(皐月賞トライアル)=2024年3月17日(日曜)中山競馬場、芝内1800メートル]

 17日、中山競馬場で行われたGⅡスプリングS(芝内1800メートル=3着までに皐月賞の優先出走権)は、シックスペンス(国枝)が無傷の3連勝で重賞初制覇を達成した。2着アレグロブリランテ、3着ルカランフィーストまでがGⅠ皐月賞(4月14日=中山芝内2000メートル)の優先出走権を獲得。皐月参戦は明言されなかったものの、混迷を極める牡馬クラシック戦線に新星誕生を予感させた勝ちっぷりを振り返ろう。

 前半1000メートル通過が63秒1のスローペース。アレグロブリランテがハナを切り、ルメール騎乗のシックスペンスは前2頭とはやや離れた3番手をマイペースで追走した。馬場の悪い3〜4角で外に出すと、あとは後続を突き放すだけ。終始楽な手応えで、最後は流す余裕すらあった。

 レース後のルメールが満面の笑みだったのは、これが今年の自身初重賞Vだったから、というだけではあるまい。「馬の後ろでちょうどいいポジションが取れました。ペースは速くなかったので早めに外に出しました。馬の反応が強かったです。能力がたくさんあるし、上のクラスでも行けると思います。すごくいい3歳馬です」と新馬以来のコンビとなった無敗馬を手放しで称賛した。

 デビュー2戦のマイルから1ハロンの距離延長が課題となっていたが、そこも難なく突破した。鞍上は「距離が延びても全然問題ないね。とても乗りやすい馬で、2000メートル以上は絶対行けると思う」と距離延長、すなわちクラシックディスタンスへの対応にも太鼓判を押した。

 これで皐月賞への切符をゲットした。国枝師は「今後についてはオーナーサイドと相談して決める」とクラシックへの参戦について明言は避けたが、鞍上の距離延長歓迎発言や堂々たる勝ちっぷりから、皐月賞への参戦は全くもって無謀なチャレンジではあるまい。何より、全トライアルを終えて本番まで1か月を切った今でさえ混迷を極める牡馬クラシック戦線だ。「スタートもよく、いい位置を取って折り合いもつく理想的な競馬だった」と名伯楽が振り返ったように、同馬の最大のセールスポイントは〝テン良し、中良し、しまい良し〟。皐月賞出走となれば、トリッキーな中山芝内2000メートルでシックスペンスの抜群の競走センスが大きな武器をなるのは間違いない。

 ここまで3戦すべてが少頭数立てのスローペース。フルゲートが予想される大舞台で同じように実力をいかんなく発揮できるかどうかはカギとなるが、クラシック戦線を左右する一頭としてその動向に注目が集まりそうだ。

著者:三嶋 まりえ